大容量蓄電池「e-pocket」搭載の『進・スマートハイム』発売について
2013.01.24
北海道セキスイハイム株式会社(社長:橋島正治、本社:札幌市)は、太陽光発電システム(以下PV)と独自のコンサルティング型ホームエネルギーマネジメントシステム(以下HEMS、住宅全体の電力利用を管理し最適化するシステム)「スマートハイム・ナビ」、定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e-Pocket(イーポケット)」の3点セットを搭載した『進・スマートハイム』(北海道仕様)を、1月19日(土)から発売しました。
この度の『進・スマートハイム』発売にあたっては、電力会社との協議や申請方法の確立など、業界に先駆けて取り組んできた成果が反映されています。東日本大震災以降エネルギーのあり方が問われ、電力不足への対応が求められる中、『進・スマートハイム』の発売によって、より安心・安全で快適な暮らしをご提供する考えです。尚、北海道セキスイハイムでは昨年末に北海道内での累積販売棟数2万棟、内PV搭載2,000棟を突破しています。
全国のセキスイハイムグループでは昨年4月にPV+HEMS+蓄電池の3点セットを搭載した『進・スマートハイム』を発売(北海道・沖縄および一部積雪地域を除く)。12月末時点で受注棟数が2,000棟超となるなどお客様から大変ご好評を得て、スマートハウス分野でトップランナーのポジションを目指しています。尚、PV搭載住宅の累計建設棟数(新築+既築)が10万棟を超える業界トップの実績を有し、ギネス世界記録TMにも認定されています※。
新商品『進・スマートハイム』の特徴
Ⅰ.大容量PV+HEMS+蓄電池の3点セットを搭載
『進・スマートハイム』(北海道仕様)は容量7.2kWhタイプのリチウムイオン蓄電池「e-Pocket(イーポケット)」を搭載。大容量PV、HEMSと組み合わせ、電力網に系統連系させることで、面倒な操作なしで効率よく創エネ、省エネ、蓄エネを実現するスマートハウス仕様です。グリーンモード(自立優先モード)、経済モード(経済優先モード)、非常運転モード(停電時モード)の3つのモードでお客様のニーズに対応します。
Ⅱ.北海道の気候風土に合わせたハイレベルな躯体性能
当社では北海道独自の研究開発機関「北方住文化研究所」を設置して快適性や安全性を支える住性能を研究。『進・スマートハイム』の商品化にあたっては、当社の基幹商品「パルフェ北海道」等で培ってきた技術を継承し、冬場どこにいても暖かく快適に過ごせる温度差の少ない住宅を実現しました。
Ⅲ.一般住宅と比べ年間光熱費を約37万円削減
当社では大容量PV+HEMS+蓄電池の3点セットについて実証実験を実施し、詳細なデータ収集と分析を実施。その結果、蓄電池をグリーンモードで稼働させた場合、住宅全体で使う年間電力量のうちPVによる自家発電分が30%、蓄電池分が31.7%、電力会社からの購入分が38.3%となり、PVと蓄電池を合わせた年間電力自給率61.7%を実現可能であることが確認されました。経済モードで稼働させた場合、『進・スマートハイム』の年間光熱費で試算すると約128,000円となり、一般住宅と比べ年間約368,000円もの削減効果となります。
※ セキスイハイムグループのソーラー住宅建設棟数105,885棟(2011年12月末)は、「ソーラー住宅建設棟数№1」としてギネス世界記録TMに認定。
■『進・スマートハイム』投入の背景
東日本大震災以降、我が国では電力問題が経済活動や市民生活に大きな影を落としています。北海道電力管内では今冬、2010年~2011年の冬に比べて7%以上の節電目標を設けています。一方電力料金の今後の動向は不透明であり、また、税負担増など家計への負担が増すことが考えられます。
北海道セキスイハイムが『進・スマートハイム』を発売するのは、そうした状況を受け、北海道ではより高度で安心・安全なエネルギー対策が必要と考えるからです。PVによる発電とHEMSによる電力の見える化、家庭用蓄電池によるピークカットにより、お客様の安心確保はもちろん、北海道エリアの電力問題にも寄与することが可能となります。尚、北海道セキスイハイムは道内で累計2,000棟を超えるPV搭載住宅を供給しており、これは道内におけるPV搭載住宅の約1割を占めます(当社調べ)。PV搭載のナンバーワンシェアを誇る企業として、『進・スマートハイム』を通じ安心・安全・節電ニーズにお応えする企業責任をより強く果たしていく考えです。
■『進・スマートハイム』の概要
Ⅰ.大容量PV+HEMS+蓄電池の3点セットを搭載
『進・スマートハイム』は、高気密・高断熱の躯体性能をベースに、大容量PV+HEMS+定置型リチウムイオン蓄電池で構成されます。具体的な特徴は以下の通りです。
(1)ハイムだから可能な大容量PVの設置
セキスイハイムの主力はフラット屋根の住宅です。そのため、屋根いっぱいにPVを搭載しやすく、大容量の設置が可能。例えば「パルフェ」の場合、平均的な40坪の住宅で6kW超のPV搭載が可能で、セキスイハイムでの実邸平均でも4.86kWのPVを搭載しています。PVを大容量化すれば蓄電池と組み合せた場合の経済性、環境性、非常時のメリットはより大きくなります。
(2)利用しやすい系統連系タイプの定置型リチウムイオン蓄電池
今回の『進・スマートハイム』に搭載するリチウムイオン蓄電池「e-Pocket」は屋内に設置するタイプ。比較的小型であり、充電までに要する時間は3~4時間程度(下の「経済モード」の場合)です。蓄電池をPVも含む電力網に系統連系することで充電、放電の切り替えなどを自動化しており、お客様に操作上の負担をかけないように配慮。停電時は蓄電池から電力が供給されるように切り替えることができます。
「e-Pocket」には以下の3つのモードが用意されています。
●グリーンモード
日照時間帯はPVで発電する電力で、夜間は蓄電池に貯めたPV余剰電力を使い、足りない分を電力会社から購入するスタイル。自家発電による自然エネルギー中心の暮らし方が可能なモード。大容量PVである程エネルギー自給率が高まります。
●経済モード
昼間は大容量ソーラーの電力で生活し、余った分を電力会社に売電。朝晩は電力料金がお得な前日の深夜のうちに貯めておいた電力を使うスタイル。単価の安い深夜電力をフルに活用できるという特徴を生かした仕組みで、電力のピークカットの面で社会貢献度が高いモードです。
●非常運転モード
停電時に「e-Pocket」から自動で電力を供給。日中はPVで発電する電力を使用します。余った電力は「e-Pocket」に充電しておくことで夜も電力を使用できます。大容量PVである程、日中の天候の影響を低減できます。
(3)大容量PVとHEMS、蓄電池連携の独自システム
コンサルティング型HEMS「スマートハイム・ナビ」は当社とお客様をインターネット上で繋ぎ、運用管理するクラウド技術を使った仕組み。測定された住宅内の電力(消費&発電&蓄電)情報を自動集約し、データセンターで蓄積・管理。使用状況や分析結果をパソコンやスマートフォン上に「見える化」します。お客様自らが電力の需給状況や光熱費を詳しく把握できるほか、快適性と経済性のバランスのとれた、より効率的な省エネ生活を送れるような情報を当社よりご提供します。お客様の自宅と冷暖房機器、家族構成等類似した他邸の平均値を比較(将来的には地域や建物の大きさ毎に比較など、発展予定)。月毎に改善できる省エネポイントをわかりやすくお伝えする「コンサルティング」ができることが特徴です。また、クラウドの特性を活かし、PCやスマートフォンの活用により「いつでも」「どこでも」情報を確認することができます。『進・スマートハイム』の発売を契機に、蓄電池の充電量と放電量などの情報を蓄積・管理します。
<大容量PVと蓄電池の連携>
PVの発電は日照時間帯に限られており、従来はPVの発電電力を有効活用するのにお客様が生活を発電時間に合わせる必要がありました。一方、蓄電池に関してはお客様の電力消費にあわせた充放電ができるため、両者の組み合わせにより宅内の電力の有効活用の可能性は広がります(グリーンモード)。ただし、活用するには時間毎のより細かな電力の情報が必須になります。
『進・スマートハイム』では、「スマートハイム・ナビ」によりPVの発電状態・蓄電池の充放電状態がひと目でわかるようになり、最適に情報活用できます。
2.北海道の気候風土に合わせたハイレベルな躯体性能
当社では北海道独自の研究機関「北方住文化研究所」を設置。様々な研究や調査をもとに、快適さや安全性を支える住性能を追求。寒冷地にふさわしい住まいの開発に日々取り組んでいます。『進・スマートハイム』(北海道仕様)は、基幹商品「パルフェ北海道」の場合ではQ値1.57 W/㎡kとなっており(モデルプラン仕様の場合)、鉄骨系住宅としてはトップクラスの性能を有しています。そのため空調負荷(エネルギー使用量)が低く、さらに上下の温度差や室間の温度差が少ないなどのメリットを発揮。省エネ性と快適性を兼ね備えた暮らしを実現できます。
3.一般住宅と比べ年間光熱費を約37万円削減
『進・スマートハイム』の発売に向け、蓄電池の実証実験、効果検証解析を行なってきました。具体的には、(1)実邸5邸での蓄電池の充放電の挙動把握。(2)年間消費電力量を把握しているHEMSモデル邸50邸での年間電力消費パターンでの蓄電池導入効果の検証。(3)2012年度HEMS設置邸約1,000邸の消費電力データを使った蓄電池導入効果の把握(ライフスタイルの違いによる導入効果変動把握)です。検証の結果、蓄電池(7.2kWh)の導入により、グリーンモードで稼働させた場合、住宅全体で使う年間電力量のうちPVによる自家発電分が30%、蓄電池分が31.7%、電力会社からの購入分が38.3%となり、PVと蓄電池を合わせた年間電力自給率61.7%を実現可能であることが確認されました。
また、経済モードで稼働させた場合、『進・スマートハイム』の年間光熱費で試算すると約128,000円となり、一般住宅と比べ年間約368,000円もの削減効果となります(当社試算)。
<計算条件>
『進・スマートハイム』
2階建て127.13㎡、PV(4.95kW)、売電単価=42円/kWh、蓄電システム(7.2kWh)、Q値1.57W/㎡k、IH調理器具、暖房・給湯:ガス(エコジョーズ)、第三種換気、
HEMS導入効果5%削減と想定<札幌市にてシミュレーション>
「一般住宅」
2階建て140㎡、Q値=2.5W/㎡k、
調理:ガス(プロパン)、暖房・給湯:灯油、第三種換気
■販売目標/販売価格
販売目標:2013年度300棟を計画
販売価格:3.3㎡あたり68万円台~(PV、HEMS、蓄電池搭載)
展示場計画:1月6日に北24条展示場に第1号モデルハウスをオープン。今後建て替える展示場を『進・スマートハイム』仕様にする計画です。
エネルギーをより効率的に使用する将来の「スマートコミュニティー」や「スマートグリッド社会」実現の先駆けとなることを目指し、建て替えや新築などのお客様への提案を行ってまいります。