太陽電池 国内市場拡大も中国産攻勢 輸入3.5倍増 国産の半分に
2013.02.27
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を背景に、国内の太陽電池市場が急拡大している。なかでも価格競争を仕掛ける中国など新興国メーカーの攻勢が鮮明になってきた。太陽光発電協会(JPEA)が26日に発表した平成24年10~12月期の国内出荷量では輸入製品が前年同期比3・5倍と急増し、国産品の半分に達した。
10~12月期の国内太陽電池出荷量(発電能力ベース)は前年同期比2・5倍の100万3213キロワットとなり、四半期としては過去最高を更新した。
出荷が伸びたのは固定価格買い取り制度を受けた企業による大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設ラッシュが大きい。メガソーラーなど発電事業用の出荷量は21万5627キロワットとなり、前年同期比7・1倍の高い伸びをみせた。
国内出荷量の内訳をみると、輸入製品が34万1523キロワットを占めた。国内シェアは34%に上り、前年同期比10ポイント上昇した。中国メーカーなどが国内メーカーに比べ2~3割安い価格帯で売り込んでおり、日本市場の侵食が続いている。
中国の太陽電池メーカー「レネソーラ社」は26日、東京都内で日本法人の設立発表会を開いた。スティーブン・ファン上級副社長は「日本のほとんどの顧客のニーズを満たせる製品を持ってきた」と強調。4月にも日本の製品より大幅に安い価格で販売を開始し、3年後には日本市場で10%のシェア獲得を目指す。
再生可能エネルギーの利用が進むドイツでは、中国など新興国メーカーの進出で価格競争が激化し、かつて世界最大手だったQセルズが破綻した。
日本勢は海外工場からパネルを逆輸入するなど巻き返しに必死だが、中国メーカー関係者からは「ライバルは日本企業ではなく、中国や台湾の同業者」との声も上がっている。