異常豪雨で最上川が氾濫 太陽光発電所も一部水没
2020.09.01
PVeye
7月下旬、山形県を襲った異常豪雨で最上川が氾濫、太陽光発電所も一部水に浸かってしまった。(本誌・平沢元嗣)
2020年7月26日から29日にかけ山形県を襲った豪雨の影響で、土砂崩れや道路の路肩の崩落が発生、県内を南北に流れる最上川は4ヵ所で氾濫した。
被災した住宅は688棟を数え、うち183棟が床上まで浸水した。農業関連の被害も深刻で、トウモロコシやネギ、ジャガイモ、桃、リンゴなど、多数の作物が泥水に飲み込まれた。
県は8月17日、豪雨発生後7回目の災害対策本部員会議を開き、道路や河川の被害が220・6億円に、農林水産業の被害は56・3億円にのぼると公表したが、被害額はさらに増えそうだ。
太陽光発電所も被災した。山形県は降雪量の多い地域ゆえ、地上から太陽光パネルまでの高さが1.5m程確保され、パネルの水没こそ免れたようだが、東根市の低圧太陽光発電所はパネルの下に設置してあったPCS(パワーコンディショナ)や集電箱が浸水していた。
パネル下のPCSが水没する被害は、7月上旬の九州豪雨でも見受けられた。いずれも付近の川が氾濫したためである。今後河川の付近に太陽光発電所を建設する際は対策が必要かもしれない。
昨今、自然災害が激化している。山形豪雨で被災した東根市の農家、青野一男さん(77)は、「80年近く生きてきて、こんな水害は初めてだ」という。
異常気象が起こる原因のひとつに、地球温暖化の進行がある。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、世界の平均気温は1880年から2012年の間に0・85℃上昇し、95%の確度で人為的な二酸化炭素の排出が招いているという。さらに、このまま対策を講じなければ、異常気象の猛威は一層激しくなると警鐘を鳴らす。
対策は二酸化炭素の排出削減だ。すなわち、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入である。