産業競争力会議、クリーンエネルギーなど7つのテーマ別会合開催へ

2013.02.18

ロイター

[東京 18日 ロイター] 政府は18日、日本経済再生本部の下に設置した産業競争力会議(議長:安倍晋三首相)の第2回会合を開き、エネルギーコスト削減、科学技術イノベーションの推進、農業競争力強化などについて議論した。また、今後は、重点的に議論すべき7つの課題についてテーマ別会合を設定し、政策の具体化に向け集中的な議論を行うことを決めた。

 エネルギーコスト削減対策としては、茂木敏充・経済産業相が、低廉なLNGの確保などを含む「エネルギー最先進国へのアクションプラン」を報告。北米のシェールガスのような安価な燃料調達につながるプロジェクトに対し、1兆円規模の債務保証枠の設定を検討するほか、再生可能エネルギーの導入拡大に向け規制・制度改革を進める方針。

 科学技術イノベーションの推進に関しては、山本一太・内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が、総合科学技術会議の司令塔機能の強化に向けた制度改革を検討する方向を示し、民間議員からも、成長戦略の要として科学技術やイノベーションを推進するため、政府研究開発投資の拡大や国家戦略・課題に対応した機動的な予算配分などの提言が出された。

 農業については、林芳正・農林水産相から、現在4500億円の輸出額を1兆円に拡大する目標や、競争力強化に向けて構造改革を加速する方針などが示された。安倍晋三首相も会議の中で「産業として農業を伸ばす。従来の発想を超えた大胆な対策を行う」意向を示した。

 同会議は、今後、1)産業の新陳代謝の促進、2)人材力強化・雇用制度改革、3)立地競争力の強化、4)クリーン・経済的なエネルギー需給実現、5)健康長寿社会の実現、6)農業輸出拡大・競争力強化、7)科学技術イノベーション・ITの強化──についてテーマ別会合を開き、集中的な議論を行う。構成メンバーは各委員の希望をもとに決める予定だが、開催日程は未定。

 産業競争力会議は、安倍首相、麻生太郎副総理兼財務相、茂木経産相など関係閣僚と竹中平蔵慶応大学教授、長谷川閑史・武田薬品工業(4502.T: 株価, ニュース, レポート)社長、佐藤康博・みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)社長、三木谷浩史・楽天(4755.OS: 株価, ニュース, レポート)会長兼社長など民間議員10人が参加している。