[特別対談 第31回]

自家消費新時代のPCS

プロフィール●坂本幸隆(さかもと・ゆきたか)1959年和歌山県生まれ。83年近畿大学理工学部電子工学科卒業後、田淵電機に入社。パワーエレクトロニクス事業部事業部長、事業総括兼エネルギー・ソリューション事業本部統括などを歴任し、2019年2月よりエネルギー・ソリューション事業本部長に就任。

土肥氏●企業に自家消費用の設備を販売する場合は、これまで以上にアフターフォロー体制が問われます。というのも、客先でトラブルが生じた際、早期の復旧対応はもちろんですが、客先の企業には説明責任が生じるので、販売会社には報告書の提出が求められます。その点、貴社はトラブル時の対応が非常によく、報告書もきっちりと提出して下さいます。とてもスムーズなので、今後自家消費用の設備を販売していくうえで、非常に心強いのですが、どのような経緯があったのでしょうか。

坂本氏●当社はもともと部品メーカーで、直接エンドユーザーに販売していなかったこともあって、以前はアフターフォローが不充分でした。だがそれでは長期にわたって事業を継続できないと反省し、現在はその道のプロにお願いしています。

土肥氏●20年のFITの抜本見直しを迎えるなか、今後は自家消費が中心になると思います。住宅用のマーケットから始まり、全量売電の大量普及時代があって、また新時代へと移行していくわけですが、どのように見ていらっしゃいますか。また、ダイヤモンド電機さんとのシナジーも踏まえ、どのようなビジョンを描かれているのでしょうか。

坂本氏●今後、市場の中心になる低圧の自家消費や住宅用太陽光発電は、我々の得意領域ですから、商機は充分にあると思っています。PCSに関しては、価格や性能に加え、アフターフォローに力を入れ、きめ細かい対応で差別化を図る考えです。

ダイヤモンド電機とのシナジーとしては、EV(電気自動車)の大量普及時代を見据えています。EVにはDC/DCコンバータやインバータが搭載されます。ただし、車載用製品を供給するというのは、その領域に参入していない当社にとって非常にハードルが高い。その点、ダイヤモンド電機は、自動車に搭載するガソリン点火用のイグニッションコイルを長年製造してきました。ですからEV用インバータという点でシナジーを発揮できる可能性がありますし、あるいはV2H(車から家庭への電力供給)の開発などもあり得るでしょう。

土肥氏●ところで、貴社は先日、スマートグリッドの権威ある賞を受賞されたと聞きましたが、経緯についてお聞かせください。

坂本氏●はい。IEA(国際エネルギー機関)傘下のISGAN(国際スマートグリッド協会)から『ISGANアワード2019』の奨励賞をいただきました。これは、カナダ・オシャワ市で、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とオシャワ市、さらにオシャワ電力とともに15年から3年間手掛けた住宅エネルギー管理システムの実証事業によるものです。停電時にシステムが自立運転することによるバックアップ機能や、再生可能エネルギーによる節電効果で経済性が得られるといった成果を得たので、その功績が認められたのだと思います。日本企業では初めてということなので大変光栄です。

土肥氏●自家消費の新時代には、益々PCSの機能や性能が問われます。それだけに、これまで国内市場を牽引されてきた貴社に対する期待度は高まっているのではないでしょうか。今後の活躍を祈念しています。

ウェブサイトはこちら