高稼働率で事業化を後押し!
EPC企業を惹きつけるファーウェイの蓄電設備
蓄電池や空調を個別制御
そんなオルテナジーは2010年に設立したEPC企業で、現在は法人向けに特化してPPA(電力売買契約)やEPCを展開している。屋根に穴を開けずに太陽光パネルを設置する『シンプル・レイ』工法を開発するなど、技術力には定評があり、15年頃から自家消費用太陽光発電設備の提案を始めている。
そしてファーウェイの製品を扱い始めたのは17年頃だった。当初はもっぱら太陽光発電用PCSだったが、性能面で高く評価しており、自ずとファーウェイの蓄電設備に対する関心を高めていたのだろう。とはいえ、決め手は大型蓄電設備の〝衝撃的〟な性能だったというのだ。ではファーウェイの大型蓄電設備とはどのような製品なのか。
ファーウェイの大型蓄電設備は、最大直流電圧1500V、蓄電容量2032kWhの蓄電池に単機容量100kWのPCSを複数台組み合わせたもので、系統用や発電所併設用のほか、自家消費用としても使える。
蓄電池ユニットは2032kWhで1つだが、20フィートコンテナ内の蓄電池が細分化され、個別制御されている点が特徴だ。蓄電池セル16枚を直列接続した蓄電池パックにBMU(蓄電池管理制御装置)が1台ずつ搭載されているうえ、蓄電池パック21個で構成される蓄電池ラックにはDC/DCコンバータを内蔵されており、それぞれで充放電を最適化する仕組みが講じられている。これによって充放電ロスが減りつつ、劣化の異なる蓄電池の併用によって利用効率が高まり、コストが低減するのである。
また、個別空調式が採用されている点も特徴だ。コンテナ内の6台の空調機によって内部温度差は3℃未満に維持されている。これによって、蓄電池の寿命は15年以上と長く、ライフサイクル放電量を15%以上向上しているのだ。