発電所の運営費削減を図るならファーウェイのPCSで決まり

遠隔からI‒Vカーブを測定

ファーウェイは、遠隔からI-Vカーブを測定し、異常の有無を自動で判断する機能をオプションで提供する。この機能があればO&Mに要する費用を低減することができる

「一度この便利さを知ってしまえば、この機能がないPCSなど考えられなくなるでしょう」。

秦プロダクトディレクターがそう力説するのは、同社がオプションでPCSに搭載する遠隔からのI‒Vカーブ測定機能である。

I‒ Vカーブとは、稼働状態にある太陽光パネルの電圧と電流を測定し、その相関関係をグラフ化したもの。太陽光パネルが正常であれば緩やかな波形を描くが、波形が乱れている場合、何らかの異常が発生していると分かる。I‒Vカーブ測定は、太陽光パネルの状態を調べる基本的な検査である。

一般に、I‒Vカーブを測定する際は、専用の機器を携えて太陽光発電所へ向かい、作業員がストリング単位で計測しなければならず、時間と手間がかかる。しかも一定以上の日射量がなければ、正確な測定は難しい。

つまり、せっかく作業員の予定を確保して現地へ赴いたものの、天候が芳しくないために点検を実施できず、後日改めて予定を組み直すといった事態が起こる。

だが、同社のPCSであれば、パソコンから好きな時間に測定が可能であるため、こうした手間はなく、点検費も必要最小限に抑えられる。発電事業者は、普段PCSが取得する発電量を確認しつつ、定期的にストリング単位でI‒Vカーブ測定を実施し、異常を検出した場合のみ現地へO&M(管理・保守)業者を派遣して対策を講じてもらえばよい。同社のPCSの場合、I‒Vカーブ測定後に異常の有無を判断し、測定結果の報告書作成まで自動で行う。同社はこの機能を2017年から提供し始め、今年4月にバージョンアップを図った。

もともと、第三者認証機関の独テュフラインランドが2016年、ファーウェイのI‒Vカーブ測定には「ストリングの故障検出性能がある」と、測定の正確性についてお墨つきを与えていたが、今回AIを搭載したことでさらに精度が増した。加えて従来は平地の発電所でなければ同機能をPCSに搭載できなかったが、新バージョンでは設置場所を問わず、両面発電パネルの測定もできるようになった。測定速度は倍になり、100MWの発電所の計測に要する時間はわずか20分である。また携帯端末からの測定が可能になった。

4月からの新バージョンでは、携帯端末からの測定も可能になった