地産地消、営農用で再注目!
米国サンパワー社のパネルはなぜ選ばれるのか
地産地消や営農用太陽光で再注目されている米サンパワー社の太陽光パネル。その理由を太陽光発電で地域活性化を目指すグリーンシステムコーポレーションの阿久津昌弘社長が語った。聞き手はサンパワージャパンの小西龍晴営業部長である。
小西氏●大規模な太陽光発電所の新規開発は減少傾向にありますが、屋根上設置の地産地消モデルや営農用太陽光発電にはまだまだ普及拡大の余地が残されています。それゆえ、貴社の取り組みには高い将来性を感じるのですが、まず事業モデルについて説明いただけますでしょうか。
阿久津氏●我々の狙いは、太陽光発電と畜産の融合による地域活性化です。私は20年近く太陽光発電設備の施工・販売に携わり、FIT始動後は多くの太陽光発電所を開発してきましたが、元々は畜産農家の生まれです。以前は畜産の6次化を図って収益拡大に努めたこともありました。
ただ、当時は資本が脆弱で挫折したのです。そこで、太陽光発電の売電事業で収益が得られるようになったいま、これを活かして再び畜産に取り組めないかと考えたのです。太陽光発電所の下で家畜を飼育する売電事業と畜産業の両立です。
小西氏●営農用太陽光ならぬ〝畜産用太陽光〟ですね。具体的にどのような太陽光発電所なのでしょうか。
阿久津氏●現在運営しているものは、農地の一時転用許可が必要な営農用太陽光ではありません。ただ、2年前に建設した1.5MWの太陽光発電所は羊の放牧を想定して設計したものです。建設費は嵩みましたが、太陽光パネルの位置を地上1.5mの高さに嵩上げしたうえ、家畜が逃げないよう、フェンスは触れると微弱電流が流れる電気柵にするなど、工夫しました。
小西氏●通常の太陽光発電所と比べると、建設費が割高になる分、発電事業の利回りは多少落ちるのでしょうが、畜産業を営み、地域に還元するという点において非常に意義深い事業だと思います。現在どれほど太陽光発電所を開発されたのでしょうか。また今後のビジョンもお話しください。
阿久津氏●稼動済みの太陽光発電所は20MW程で、羊40頭と豚30頭を飼育しています。豚は穴を掘るので、架台への影響など懸念材料もありましたが、今のところ問題はありません。
当社は認定農業者ですから、すでに10ha以上の農地で米、麦、大豆を耕作しています。今後は営農用太陽光で、豚、牛、鶏の飼育に加え、飼料用の作物を栽培し、安心・安全で美味しいお肉と加工品を販売していきます。
さらにスマート農業もコンセプトです。ロボットトラクターやロボットコンバインなど、IT技術やAI(人工知能)を取り入れ、高齢な農家のために重労働からの解放を目指します。
現在、太陽光発電所の開発案件を2000件以上抱えており、そのうち1500件を販売する予定です。自社では80MW保有し、耕作面積は100haまで増やします。様々な方々と協業して、農業と6次化産業、再生可能エネルギーで、地方と限界集落を元気にしていきます。