ファーウェイ、低圧用PCSでJET認証取得

PCS世界大手のファーウェイは6月11日、低圧用PCSのJET認証を取得したと発表。低圧市場の開拓に本腰を入れる構えだ。

JET認証を取得した、低圧用小型PCS『SUN2000L–4.125KTL–JP』

JET(電気安全環境研究所)の規格に適合した工業製品に付与されるJET認証。いまや日本で市販される小型PCSには不可欠な認証だが、これを取得した海外のPCSメーカーは少ない。なぜなら日本特有の規格に合わせた製品の設計が求められるため、メーカーが対応できないのだ。

だが、ファーウェイは、申請後1年以内にJET認証を取得、「当社は設計や品質が優れていると自負しています。認証の取得により、お客様は、当社のPCSを安全・安心にご利用いただけます」とコメントしている。

ファーウェイがJET認証を取得した低圧用の小型PCSは、出力4.125kWで、変換効率は98.5%と高く、機能も充実している。特筆すべきは、小型機ながらMPPT(最大動作点追従機能)回路を2回路も搭載している点だろう。MPPTは、日射量によって変わる電流と電圧を最適な値に整えて発電量を最大化する機能だ。回路数が多いほど発電量が増える。

さらに、発電量の計測機能がPCSに標準で備わっており、事業者が別途計測装置を購入する必要がない点も特長だろう。低圧太陽光発電所のオーナーは、売電収入が少なく、O&M(管理・保守)費用をなかなか捻出できないため、ファーウェイのPCSは好都合だ。

より細かな監視を望むユーザーは、オプションでI‒Ⅴカーブ測定機能の搭載も可能だ。計測したデータは20年保存可能だから、経年劣化の診断に用いることもできる。

施工性の高さも光る。重量はわずか10.4㎏しかなく、1人の作業員が楽に持ち運べる。一般的な小型機の重量が30㎏前後である点に鑑みれば、ファーウェイ製小型機の軽さは際立っている。

なお、単相型であるため絶縁トランスが必要ない。従来から販売している三相型も並行して販売していく。

JET認証を取得し、低圧市場の開拓に本腰を入れる