[特別対談 第24回]

向上する中国クオリティ

スメックジャパン 張弩社長 × ESI 土肥宏吉社長

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長による特別対談。お相手は、品質に定評のある中国フォノソーラーの太陽光パネルを日本で販売するスメックジャパンの張弩社長だ。向上する中国クオリティというテーマで意見交換した。

プロフィール●土肥宏吉(どひ・こうきち) 1973年東京都生まれ。97年一橋大学商学部卒業後、遠心分離機大手の巴工業に入社し海外営業に従事。2011年ドイツで太陽光関連企業を設立。12年に太陽光専門商社ESIを設立し、代表取締役に就任。

土肥氏●ここ数年、中国製品の品質が格段に向上しています。これまでは、もっぱら価格競争力が注目されてきましたが、性能も着々と上昇し、品質も総じて高まっている印象を受けます。

そこで今回は、中国製パネルのなかでも、とくに高品質なスメックグループ傘下のフォノソーラー製パネルを販売されているスメックジャパンの張弩社長に登場いただきました。中国クオリティが向上している背景など、お伺いできればと思います。

ではまず、貴社の概要についてお話しください。

 

張氏●はい。スメックグループは中国国営の総合商社で、設立してもうすぐ40年目を迎えます。母体は中国の政府機関でして、1978年の改革開放の頃に企業として再始動した経緯があります。

特徴的なのは、国営企業でありながら、株式の半数を社員が所有していること。このような国営企業は、恐らく当グループを除いて他にないでしょう。

スメックグループには6つの事業会社があり、その1社が太陽光パネルを製造するフォノソーラーです。年産能力は1GW程度で、毎年太陽光パネルを800MW〜1GW出荷しています。規模は大きくありませんが、製品の品質を最適に維持できる規模として、当グループでは1GWが適切だと考えています。

 

土肥氏●国営企業でありながら社員持ち株制とは、非常に興味深いですね。恐らく社員の方々には、雇われているという意識はないのでしょう。皆がオーナーで、皆で頑張って会社を盛り立てていこうと考えているのだと思います。

確かに、以前工場を訪問させていただいた時、社員の方々が生き生きと自発的に話し合いながら物事を決めている様子が印象的でした。非常にモチベーションが高かったので驚いていたのですが、ひょっとすると、社員持ち株制が関係しているのかもしれませんね。

ところで、フォノソーラー製パネルの不良率の低さにはいつも感心させられます。技術的な特徴について教えてください。

プロフィール●張弩(ちょう・ど) 1986年中国江西省生まれ。2008年南京人口大学情報管理学部卒業後、フォノソーラーに入社。2012年から同社海外営業部セールスマネージャー、スメックジャパン営業部長などを歴任し、16年よりスメックジャパンの代表取締役社長に就任。