タオケイが蓄電設備販売に本腰
遠隔監視装置メーカーの中・タオケイが日本で産業用蓄電設備の販売を本格化する。このほど夜間も売電できる蓄電池併設の太陽光発電所に初出荷した。自家消費用の需要も掘り起こす狙いだ。
タオケイは2020年9月、子会社のタオケイエナジーを通じて、宮崎県内の低圧太陽光発電所に蓄電容量768kWhの蓄電設備を納入した。同発電所では、出力50kW未満の低圧ながら出力340kWまで太陽光パネルを過積載し、蓄電設備を併設。出力抑制による売電損失の軽減を図りつつ夜間も売電できる太陽光発電所として稼働した。
こうした太陽光発電所に蓄電設備を導入する利点について、タオケイの陸劍洲社長は、「太陽光発電所の稼働率が上がるうえ、売電収益の増加に繋がります」とし、「たとえば、PCS(パワーコンディショナ)の出力が49.5kWの2つの発電所で、一つはパネル出力100kW、もう一つは340kWで当社の蓄電設備を併設するとしましょう。いまでは後者の方が投資回収期間が短くなるケースが意外と多いのです」と強調する。
18年に蓄電設備の開発に着手した同社は、蓄電池中国大手CATLが製造するリン酸鉄リチウムイオン蓄電池セルを採用。顧客の要望に応じた蓄電容量の設備に組み上げて提案している。価格は規模によって異なるものの、概ねkWhあたり5〜6万円で提供するという。