厳格新JISへ対応万全!

LIXIL、強度2倍の傾斜地用架台を新開発

南30度、東西40度!縦横無尽の傾斜架台

LIXILエナジーの福島恭輔社長(右)とLIXILエナジー営業サポ―トチームの栗田伸一主査(左)

こうした事情から、アルミ架台メーカーのLIXILは、新製品開発に踏み切ったが、そもそも、同社が平地用に製品化していた標準架台は、新JISの要求する強度が従前から備わっていたという。

LIXILエナジー営業サポートチームの栗田伸一主査は、「当社では、事前に試験して架台の強度を充分確認してから製品を出荷しています。平地用であれば、従来品でも充分新JISに対応できます」と語る。

ただ、従来の傾斜地用架台には、新JISの要求に必ずしも応えられない部分があったようで、福島社長は開発の経緯をこう説明する。

「傾斜地では、南北傾斜だけでなく、東西傾斜も考慮しなければなりません。新JISが法制化されると、従来の傾斜地用架台では、東西傾斜の強度に不安があったので、新製品を開発しました。ただ、新製品を開発するのであれば、単に強度を高めるだけでなく、部品点数を減らし、価格要求にも極力応えられる製品に仕上げようと努力しました」。

具体的には、従来太陽光パネルと架台の接合部を4ヵ所クランプで止めていたものを、パネルの長辺を長物で止める方法を採用。固定の強度を高め、強風でパネルがたわみ、架台からはずれるリスクを最小化した。

さらに、パネルを支える架台の梁を太くした。従来は断面が55㎜×110㎜の長方形だったが、これを70㎜×120㎜にして東西にかかる強度を大幅に高めている。

基礎は、コンクリート基礎やスパイラル型杭基礎ではなく、杭を打ち込んで周りをコンクリートで固めるキャストイン工法や、杭を直接打ち込むラミング工法に改めた。

こうした技術的な改良を進めた結果、同社は、新JISが要求する強度を満たしつつ、北傾斜15度、南傾斜30度、東西傾斜40度まで対応できる新しい傾斜地用架台の開発を実現したのだ。

この傾斜地用架台の発売時期について、従来品よりもやや割高になるだけに、新JISの法制化の動向を見極めながら慎重に検討しているが、すでに技術的な対策は万全だとしている。

なお、LIXILグループの架台事業は、これまでLIXILエナジーが販売、親会社のLIXILが生産する分業制を敷いていたが、4月1日より統合し、LIXILで一貫して行う。製販一体となって、より生産に近い部分でタイムリーな架台供給を図っていく狙いだ。

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