[特別対談 第10回]

市場観測2017

ハンファQセルズジャパン 東洋一執行役員 × ESI 土肥宏吉社長

プロフィール●東 洋一(ひがし・よういち) 1960年鹿児島県生まれ。84年慶応義塾大学卒業後、京セラ入社。太陽電池事業部の技術、管理部門に31年間従事。2007年同志社大学大学院ビジネス研究科修了。15年7月ハンファQセルズジャパン入社、同年11月PVシステム事業部長、16年4月より執行役員に就任。

土肥氏●16年はEPC(設計・調達・建設)の領域でも、熾烈な競争がありましたから、コストが下がりました。つまり、インフラビジネスとして競争力を磨ける環境が日本にあったということです。導入初期にバブルが起こり、短期的に市場が創出され、改正FIT法へと移行することによって、次は競争力を磨ける市場が創り出されています。この傾向は企業にとってもよい状況ではないかと思います。

では、貴社は17年以降、日本市場でどのように展開されていかれるおつもりですか。

 

東氏●市場価格は厳しくなるでしょうから、しっかりと対応していきますし、そのほか細かい修正点は色々ありますが、基本路線は変わりませんよ。

ただ、長期を見据えれば、色々と策を練る必要はあると思います。市場では様々な変化が起こるでしょうから。たとえば、自家消費利用がそのひとつです。買取り価格が下がり、設備コストが下がり、さらに蓄電池のコストまで下がってくると、当然ながら自家消費や独立電源のニーズが高まってくるでしょうから、そこに向けてパネルメーカーとしてどのようなポジションを築くべきか。先を見据えて取り組んでいかなければならないと思います。

 

土肥氏●制度や市場の変化に合わせて柔軟に対応していく必要はありますが、商売の基本というものは、ある意味、普遍性があって、それほど変わらないと思います。お客様のニーズがあって、自社の製品やサービスがあって、それを他社との競争のなかで、どう魅力を提示し、選んでいただくかということですから。貴社は、その基本が土台としてしっかりされているので強いのでしょうね。

東さんが先ほどおっしゃられた3点目の勝因というのが、実は非常に重要だと思います。コストがここまで下がってくると、商品力、ブランド力にそれほど差がなくなってきますから、最後は商習慣を理解し、きめ細かい対応やサービスの部分で差別化を図っていくことになるのだと思います。

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