施工性が劇的に改善!
傾斜地用架台の常識を打ち破ったLIXILの技術力
アルミ加工50年の研鑚
LIXILエナジーの架台は、先の傾斜地用架台も人気だが、一般の野立て用架台も品質面で定評がある。とくに、改正FIT法が成立し、経済産業省が架台の品質を厳しくチェックするようになってからは、同社の架台を採用する発電事業者が急増している。大型案件の受注を多数獲得した同社は、昨年4月から生産を本格化。2016年度は300MWの出荷を見込んでいる。
なぜLIXILは架台の製造・販売で成功したのか。
LIXILが太陽光発電用架台の製造に着手したのは12年だ。FIT制度を活用して自社工場にメガソーラーを建設する機会を得て、架台を自社開発したのが最初だった。13年4月にはLIXILエナジーを発足し、架台の外販を始めたが、当初は低圧太陽光発電所向けが中心だった。それでも着々と実績を重ねるうちに、徐々に大型案件に採用されるようになり、今ではメガソーラー用架台の主力メーカーとして一定の地位を築きつつある。
では、技術力、生産力はどのように高めてきたのだろうか。福島社長は、「当グループの母体のひとつ、旧トステムは、アルミサッシのトップメーカーでした。当社にはアルミ建材において52年の歴史があります。この長い経験で培った技術を活かして架台を開発し、自社のアルミ工場で生産しています」と答え、こう続けた。
「当社の特長のひとつに、商品ごとの施工マニュアルの充実と施工計画チームの存在があります。施工前の搬入方法や納品後の組み立て方を説明するなど、ソフト面も充実させています。その結果、簡単に施工できるメリットを感じていただき、リピート受注に繋がっていると感じています」。
同社の架台は、アルミの鋳造から始まり、ビレットの製造、押し出し成型、表面処理、加工を経て生産されている。とくに表面処理は高品質で、営業サポートチームの栗田伸一TLは、「屋外仕様品の表面処理にはJIS規格でA1種、A2種、B種とランクがあり、B種を選択されているところが多いのですが、当社はA2種が標準。要望があれば最上位のA1種を使用することもあります」と説明する。
むろん、強度も万全だ。机上の設計で作成した構造計算書で架台の強度を担保するメーカーが大半だが、同社は自社の試験所で実機の破壊試験を実施し、接合部の強度まで細かく検査する。現在は構造設計一級建築士による構造計算書を案件ごとに無料で提供している。
LIXILの架台事業。急成長を可能ならしめたのは、半世紀以上に亘って築き上げたアルミ建材の製造技術と生産体制に違いないが、さらに源泉を辿れば、確固とした「品質第一」の製造理念が存在する。これを機にLIXILの架台を試してみてはいかがだろうか。