[特別対談 第17回]

太陽光、基幹電源への課題

SMAジャパン 今津武士代表取締役社長 × ESI 土肥宏吉社長

プロフィール●今津武士(いまづ・たけし) 1956年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、79年に日製産業(現日立ハイテクノロジーズ)に入社。香港支店および上海支店のマネージャー、米国現地法人のバイスプレジデント、商事戦略本部部長などを歴任。2012年からトリナ・ソーラー・ジャパンの代表取締役社長を務め、14年12月より現職。

今津氏●日本法人は、40名体制ですが、フィールドサービスとアフターサービス合わせて12名です。このほか30名のサービスパートナーさんが全国にいらっしゃるので、あわせて40名以上のサービスメンバーが万が一のトラブルにもすぐに駆けつけて対応できます。

冒頭の発電所が与える周辺環境への影響ですが、PCSに関しては、大型機の音や電波ノイズが問題になることがあります。理由は、大規模な発電所は民家のないところに建設されるため、工業地域用にPCSも設計されているのです。

当社は様々なお客様から宿題をいただき、日本では日本向け専用品を販売しています。すなわち、音対策として特別に開発したサイレンサを標準搭載させ、電波ノイズもノイズを低減させるコンポーネンツを標準で組み込んでいます。

大型PCSを住居地域に建設されることもあるようで、それによって周辺の住民の方々に迷惑がかかっているケースがあるかもしれません。太陽光発電を日本に根づかせていくために、メーカーとしても取り組むべきことがまだまだあるように思います。

 

土肥氏●そうですね。ただ、これについて、私はメーカーさんだけの責任では無く、太陽光業界の各関係者がそれぞれ真摯に対処していくべきだと考えます。大型PCSであれば騒音問題や電波ノイズによるAMラジオ等へ影響する可能性もありますので、諸条件を考慮してEPC業者さんや太陽光発電所のオーナーさんは、設計時より周辺環境へ配慮する事で影響を防ぐ事も可能です。太陽光パネルの東西設置も、東西方向に民家があればパネルの反射光の問題を考慮する必要があります。

塩害地域や積雪地域に太陽光発電所を建設する場合は、皆さん周辺の環境に敏感になられるのですが、騒音やノイズに関することは、ポコッと抜け落ちている気がします。高圧発電所や低圧発電所は数が多いので、周辺住民の方々への影響について、一層気を配るべきだと思います。

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