[特別対談 第13回]

監視システムの役割

メテオコントロールジャパン 山時義孝社長 × ESI 土肥宏吉社長

プロフィール●山時義孝(さんとき・よしたか)1971年東京都生まれ。94年駿河台大学法学部卒業後、トーメンデバイス入社。03年から独半導体大手メーカー日本法人にて要職を務め、09年サンテックパワージャパンに入社。14年取締役に就任後、ゼネラルマネージャー、最高執行責任者、最高経営企画責任者を歴任し、17年より現職。

山時氏●もう1つは気象データを活用した事業を日本で展開したいと思っています。たとえば発電量のシミュレーションですが、日本ではNEDOの日射量に基づいたシミュレーションが一般的ですが、我々はNEDOだけではなく、NASAなど海外の日射量データも活用できます。統計的により信憑性の高いサービスを提供できるので、改正FIT法の入札制度に適していると考えます。

 

土肥氏●メテオコントロールさんの監視システムは、高機能で評価が高いのですが、日本のユーザーのなかには、高機能過ぎて使いこなせない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ユーザー向けに研修やセミナーなど開催されているのですか。

 

山時氏●ユーザーの皆様には、使いこなしていただくことが何よりも重要なので、個別にご指導させていただいております。また、レポートは毎月作成しなければならないようになりましたが、当社の監視システムをお使いいただくと、自動的にレポートを作成できるようになりました。

 

土肥氏●日本では、これからO&Mが普及すると思いますが、O&Mにとって何が大事だと思われますか。また、そのとき監視システムはどのような役割を担うべきでしょうか。

 

山時氏●O&Mは質とコストです。メンテナンスの質を落とさずにコストを下げていかなければなりません。質を維持するためには熟練のO&M業者による現場でのメンテナンスは大事ですが、いわばIoTで、点検の業務を監視システムで可能な限りシステム化して、業務の安定化とコストダウンを実現することで、効率のよいO&Mを追求していくべきだと考えています。

 

土肥氏●O&Mのコストは、日本では1MWあたり年間150〜200万円ですが、欧州では75〜100万円と半分です。この違いは何でしょうか。

 

山時氏●違いは現場に行く回数だと思います。日本では3ヵ月に1回、多い場合は毎月ですが、ドイツでは年1回の定期点検のときのみです。それでもO&Mの質を決して低くはありません。要は監視システムの機能を活用して現場に行く回数を減らしているのです。

 

土肥氏●今後のメテオコントロールさんの監視システムは、どのように進化していくのでしょうか。

 

山時氏●当社の監視システムは今後エネルギーマネージメントシステムに変わると思っています。発電量予測とエネルギーマネージメントを融合させることによって、今後、自家消費利用が進んでも、太陽光発電所の最適な運用というお客様のニーズに応えていくつもりです。

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