PV用単結晶シリコン世界一※の実力

LONGi Solarが日本上陸

※2016年時点の生産能力、IHS調査による

自信があるからこそ日本市場で勝負

FIT制度の開始から4年半が経過した日本では、適地が減少し、系統接続の制約問題も生じている。買取り価格は減額され、市場は縮小傾向だ。

しかし李総裁は「日本のお客様は品質を重視しており、当社の製品が最も選ばれやすい市場だと判断しました。たとえFIT価格が下がっていても、当社の単結晶パネルは、優れたコストパフォーマンスを発揮できます」と強気の姿勢を示す。インゴットからパネルまで一貫して生産できる技術力と品質管理に自信があるのだろう。

例えば同社が先ごろ発表した60セル315Wのパネルは、変換効率が19.3%と高い。そのうえ同社はユーザーに10年の製品保証と年間マイナス0.55%のリニア出力保証(初年度97%以上)を付与するという。

さらに入念な検査に合格した製品でなければ出荷せず、梱包や積載の仕方についても試験を繰り返し、独自の方法を確立するなど、細部への気配りも忘れない。

品質を追求し、惜しみない投資を支えているのは安定した財務状況だ。ロンジ・グループの16年の売上高は、前年比倍増となる約16.7億米ドル(1887億円)、純利益も同3倍増の約2.24億米ドル(253億円)に伸長した。そして「毎年売上高の5〜7%を研究開発費に充てている」(李総裁)のである。

年間生産能力は、インゴット、ウエハがともに7.5GW、セルが2.5GW、パネルが5GWと申し分ないが、同社は現状に甘んじることはない。中国内の4工場の増強に加えて、マレーシア、インドにも工場を建設中で、17年内にはインゴット、ウエハ、セルの製造ラインを2倍に、パネルの年産能力を6.5GWへと引き上げ、さらなる成長を目指す。そのためにも、日本をはじめ海外へのパネルの販路開拓が重要なカギとなるはずだ。

李総裁は「我々には短期的に儲かればよいという考えはありません。日本では腰を据えて事業を展開していきます」と強調し、昨年日本法人を立ち上げた。日本向けに年間100MWの出荷を目指している。

単結晶太陽電池に特化し、かつ日本市場で戦う強い決意を固めたロンジソーラー。こだわりのパネルに一見の価値がありそうだ。