イワテックのメガソーラー鑑定力

発電所エンジ30年の研鑚

発電所エンジニア集団のイワテック(長崎市、岩元孝一郎CEO)が、メガソーラーの資産価値を評価するサービスを本格化させている。発電所設計30年の研鑚が生んだ鑑定手法とは。

イワテックは1989年の創業後、中東やアジアで火力発電所の建設に携わり、三菱電機や三菱重工業からエンジニアリング業務を受託してきた。2008年に太陽光発電市場へ参入し、10年には住宅用太陽光発電システムを発売。FIT開始後は産業用太陽光分野でEPC(設計・調達・建設)やO&M(保守・管理)を展開する傍ら、自社発電所の建設・運営も行っている。

その同社が今年6月、1台2000万円もする高額なEL発光試験装置を導入して、太陽光発電所の診断・評価サービスを始めた。岩元社長は経緯を語る。

「竣工検査や稼動済み発電所の設備評価診断検査、あるいは大雨や台風の後の健全性検査評価など、太陽光発電所の診断ニーズが増えてきた。当社は、長く火力発電所の設計を手がけてきたので、強みを生かせると考えた」。

同社の診断・評価サービスはO&Mメニューの定期点検がベースになっている。月次点検では、モジュールの不具合の有無を目視でチェックし、PCSの運転状況やエラー履歴を確認。接続箱や直流集電盤も点検するのだが、年次点検ではさらに詳しく検査する。

「一般のI-Vカーブ測定でも、当社の場合は、モジュールの出力が日射量と気温によって変動することを勘案し、検査当日の日射量と気温を測って、基準の日射量と気温での出力値に補正変換している。この出力補正を行って、モジュールの劣化率まで診ている」(システムソリューション事業部エンジニアリング部の小野貴輔技術グループ長)。

さらにサーモカメラやセルラインチェッカーなどを使って不具合箇所を特定し、最終的にはEL発光試験装置で不具合の原因を分析するという徹底ぶりだ。

診断・評価サービスでは、こうした点検をもとに、システムの性能や売電事業の継続性、発電効率・コストパフォーマンスなど、8つの項目で発電所を評価し、改善策まで提案する。

システムソリューション事業部営業部の合屋立部長は、「当社は5ヵ所、計11MWの発電所を所有している。このサイトで、試行錯誤を繰り返しながら、ノウハウを蓄積して現在の手法を確立した」と振り返り、O&M事業について、「自社のものも含めて現在20MW分の発電所でO&Mを実施している。今後はさらに契約数を増やしていく」と意欲的だ。

FITの開始から3年半、国内では30GWに及ぶ太陽光発電所が稼働したが、この先20年間運転し続ける設備はどれだけあるのだろうか。経験の浅いEPC会社が建設した〝不良発電所〟は相当数あるともいわれている。気になる発電事業者は、イワテックに依頼してみてはいかがだろうか。

イワテックは、太陽光発電所の評価・診断サービスやO&Mサービスについて左記の日時で説明会を開催する。

▼長崎会場/2016年1月14日(木)13時30分〜15時30分、長崎ブリックホール3階会議室、定員30名。▼福岡会場/2016年1月21日(木)13時30分〜15時30分、アクロス福岡501号会議室、定員27名。▼名古屋会場/2016年2月2日(火)13時30分〜15時30分、名古屋市内。詳細情報はHPのマッチングシステムサイトにて告知する。

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