「将来を見据え、10年後も存続できるPV経営を」

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの市場予測

減収減益は避けられない

ESIの土肥宏吉社長

もちろん企業間淘汰が進みます。生き残った企業はシェアを伸ばせるかもしれません。しかし、果たして現状と同じ収益を確保できるでしょうか。

16年に太陽光発電所を100MW完工したEPC企業を例に挙げます。16年の太陽光発電の国内導入量を8GWとすると、この企業の建設シェアは1.3%です。1MWの建設原価は1.8億円が相場ですから、2000万円の粗利を得て2億円で建設したとしましょう。このEPC企業の売上高は200億円、営業利益は20億円なので、200人規模の雇用を確保できるでしょう。

ただ19年になると、市場規模は4GWに半減します。それでも、このEPC企業はシェアを倍に増やし、かつ16年時と同じ粗利率10%で発電所を建設したとしましょう。仕事量は16年時と同じく100MWです。しかし19年には1MWの建設原価がIRENA統計では1.3億円まで下がると予想されていますから、粗利は約1400万円となります。売上高は144億円、営業利益14億円となり、16年の業績と比べて約30%の減収減益となってしまうのです。

25年になっても、EPC企業はもちろん、パネルメーカーやパワーコンディショナメーカーなども16年と同じ業績を維持することは可能でしょう。ただし、シェアを3倍に伸ばし、かつ粗利率を2倍に引き上げなければなりませんから、価格競争が進むなかで、それは非常に難しいことです。

ゆえに、将来を見据え、適正な人員で事業を進めながら、新しいビジネスモデルの構築が必要になるのではないかと考えます。

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