世界が認めたトリナのバンカビリティ

健全財務と高品質がカギ

ウエハからセル、モジュールまでの一貫生産体制を構築。

なぜトリナ・ソーラーのパネルはバンカビリティが高いのか。

そもそもパネルに対するバンカビリティは、まずメーカーの財務内容で評価される。メーカーは、20年以上の長期に亘って製品の出力を保証しているが、財務が悪ければ、存続が危ぶまれ、保証を履行できない可能性が高まる。ひいては発電事業が破綻するリスクが増すため、財務状況の悪いメーカーのパネルを使うとバンカビリティは低く評価されるのだ。

ではトリナはどうか。2015年12月期は、売上高が前年度比32.8%増の30億米ドル(約3060億円)、最終利益は同比28.9%増の7650万米ドルと好決算だった。パネルの出荷量は同比58.6%増の5.74GWで、14年に続き2年連続世界首位。15年末時点の現金は6億5990万米ドルで、株式時価総額は10億5070万米ドル、流動比率は0.82と、財務は至って健全だ。

今期も好調で、直近の16年第2四半期の売上高は前年同期比33%増の9億6160万米ドル、最終利益は4030万米ドルで推移。通期のパネル出荷は6.30〜6.55GWと予測しており、前年度を大幅に上回る見込みである。

バンカビリティの評価には、メーカーの財務内容に加えてパネルの品質も関係する。仮にメーカーの保証能力が脆弱でも、パネルが長期安定して発電するという確証があれば、発電事業が滞るリスクは発生しないからだ。高品質で長期信頼性に優れた製品を生産できるメーカーも高く評価されるというわけだが、この点においても、トリナ・ソーラーは強い。

かねてより研究開発力に自信を持つ同社は、高性能パネルの生産技術で先行しているが、製品の品質管理にも余念がない。『ISO(国際標準化機構)9001』に加え、独自の管理基準を導入したほか、『JIS(日本工業規格)Q8901』に適合した信頼性保証体制も敷く。これに伴い、生産工程で36項目に及ぶ品質検査を実施している。

こうした品質管理体制が製品の性能保証を裏付けるものとして認められ、同社は、米国の第三者機関ULのクライアント・テストデータ・プログラム認証を太陽光発電企業として初めて取得、自社試験の結果にUL認定をつけることを認められた。また、業界で初めてテュフラインランドのPV製品認証およびULの立会試験を自社実験室で実施する認可を得た。

厳格な品質管理のノウハウは、長期耐久性を実現する製品開発にも寄与した。両面ガラスパネル『DUOMAX』だ。同製品を購入したユーザーに同社は経年劣化率0.5%で30年間出力を保証する異例の〝30年リニア出力保証〟を提供している。

ただ、パネルの品質や長期信頼性の実力値は目に見えないものだ。そこでトリナ・ソーラーは、第三者検証を受けることによって、その価値を具現化し、バンカビリティの評価につなげている。

たとえば、第三者検査機関PVエボリューションラボがGTMリサーチと共同で行った耐久性試験だ。温度サイクル試験をはじめ、機械的負荷試験や結露・凍結試験、高温・高湿試験、性能劣化試験、PID試験と、6つの厳しい試験を実施してパネルの長期耐久性を比較するものだったが、トリナ・ソーラーのパネルは第2位の評価を得た。

高性能、高品質、高バンカビリティ。究極のパネルを追求する世界トップの挑戦はまだまだ続きそうだ。

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