ウエストHDの新構想

エネルギーで地方創生

フローよりストック

この〝省エネ・エスコ+新電力〟サービスは、顧客にとって直接メリットがあり、CO2削減や地方創生という大義もあるが、実はサービスを提供するウエストにとっても、安定経営に繋がる重要な事業なのである。吉川会長はこう述べた。

「今後はフローよりもストックです。フローの事業は、一度に得られる利益は大きいが、継続して売上をつくり続けなければならない。ストックは、一度に入る利益が長期に分散されるため、目立たないが、毎年少しずつ計上できるので将来の利益が確定します」。

ウエストはこれまでEPC事業のウエイトが大きく、2013年、14年と大幅な成長を遂げたが、メガソーラーの建設需要はいつまでも続かない。それだけに、長期にわたって収益が継続的に得られる事業基盤を築く必要があったのだ。

そしてエネルギーを通して、建物の管理サービスに繋げていくというのが、吉川会長の次の狙いだ。

「省エネを追求すると、建物の断熱効果を高めるなど、リフォームの領域に向かいます。すでに建物の管理会社は多く存在しますが、当社はもともとリフォーム会社でしたから得意領域です。リフォームとエネルギーという強みを生かして差別化を図っていくのです」。

では太陽光発電はどのように位置付けているのだろうか。

「地方創生というビジョンにおいては、ひとつの手段ということになります。ただし、当社には買取り価格24円でも充分建設できるだけのコスト競争力がありますし、今後は自家消費の市場が生まれるでしょう。屋根はまだまだ空いています。コストがさらに下がって、蓄電池やEMSと結びつけば、建物全体の電力消費を大幅に抑えることができます。可能性に富んだ魅力的な商材であることに変わりはありません」。

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