[特別対談 第2回]

O&M業者の選び方

横浜環境デザイン 池田真樹社長 × ESI 土肥宏吉社長

客観的な評価・診断 そして幅広い提案力

プロフィール●池田真樹(いけだ・まさき) 1971年神奈川県生まれ。95年東海大学工学部卒業後、東京部品工業(現TBK)に入社し電気設備の設計に従事。98年起業して住宅用太陽光システムの販売・施工を開始。2006年に横浜環境デザインを法人化。以後、太陽光発電販売施工協会、ソーラーワークス、日本PVプランナー協会をそれぞれ設立。15年6月独アドラーソーラーサービス社と提携して合弁会社を設立した。

池田氏●では、本題のO&M業者の選び方についてですが、やはり最適なサービスを提供してくれる業者かどうか、そこが選定の基準になるのではないでしょうか。逆にO&M業者はこれから競争が厳しくなりますから、選ばれるためには最適なサービスを提供していくべきだと思います。電気的な技術力や、現場対応、洗浄や草刈りなど、部分的にアピールされる業者が多いのですが、やはり発電所を評価・診断し、いま何が必要なのか、限られたコストのなかでO&Mメニューを提案できる力です。

洗浄はオプションのひとつだと思っていますが、実際、土埃の汚れが酷い発電所があって、洗浄した後に2%以上発電量が回復した例もあります。この場合は、お金をかけてでも、きれいに洗った方がよいのです。

一方、毎年全200回路のI‒Vカーブを測っている正常なサイトがあったとしましょう。3日かかる全数検査を1日で済む抜き打ち検査に代えてコストを下げるべきです。

幅広い知見という意味では、たとえばO&M業者は、背高泡立草の生態についても知っておくべきでしょう。実は壊滅的に伐採するコツがあるのですが、それを知らずに毎年除草している発電所と、1年目で除草を終えた発電所とでは、コストは異なります。

 

土肥氏●私は海外の案件で、法面に設置した発電所は、土砂崩れを防ぐために、敢えて草を残しておかなければならないということを、ある地質学者から学びました。初めて聞いたときは目から鱗でした。

こうして考えると、O&M業者は、もう電気の領域を超えて、建築や土木、あるいは発電所の運営という点では経済、法律、経営に至るまで、幅広い知見を持ち合わせておかなければならない。ですから発電事業者の方々は、O&M業者にあらゆる疑問を投げかけて、それに対してどう応えてくれるか、どのようなソリューションを提供してくれるか、業者の対応力から判断されることをお勧めします。

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