ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションのO&M哲学

太陽光商社のヨーロッパ・ソーラー・イノベーションが欧州の先進的なO&M(保守・管理)サービスを始めている。今年度内にも契約量は30MWにのぼる模様だ。どのようなサービスなのか。土肥宏吉社長が語った。

土肥宏吉社長

日本では、まだ発電事業者の方々にO&Mが認知されていない状況ではないでしょうか。いまはO&M業者の方々が理解を深められている段階だと思います。

当社がO&M大手独グリーンテックさんと提携して日本で始めたO&Mは、事業者目線に立って、発電事業がよりよいものになるように、太陽光発電所のパフォーマンスを最大限引き出すことを目的としています。

つまり、資産価値の向上を目的とした総合管理です。定期点検や遠隔監視システムを用いた日常監視、駆けつけサービスや太陽光パネルの洗浄、除草、雪かきのほか、事業者さんへの技術コンサルティングや財務・資産管理まで、必要なものを提供します。

ただ、これらのO&Mメニューは、日本のO&M業O者さんがおやりになられているものと、それほど変わるものではありません。重要なのは、包括的なO&Mにするか、シンプルなものにするか、発電所のパフォーマンスの最大化を念頭に最適なO&Mを提案できるかどうかです。

O&Mをより研ぎ澄ませていくにしても、コストとの見合いで、どの程度までやるべきか、効果のないことをしても無駄ですから。逆にO&Mを割り切るにしても、最低限実施しなければならないことがあります。そしてそれらには、発電所の立地環境や経済性などのファクターも加わり、適切に判断するには、経験やノウハウが求められます。

ですから、当社はO&Mを取りまとめるアドバイザリーやコンサルティングサービスも提供しています。直接、事業者さんと契約を交わし、O&Mサービスを提供する場合もありますが、O&M業者や施工業者と契約を結び、お取引させていただく場合もあるのです。

後者の場合は、すでにO&M業者さんが事業者さんとO&M契約を結んでおられて、サービスを提供しておられるが、ビジネスとしてより効率的なサービスを提供できないといった悩みを持たれているケースです。その場合は、さらにワンランク上のO&M業者さんのための、より効率的なO&Mの手法をコンサルティングさせていただきます。

いま複数の企業さんと仮契約を結び、テスト運用をさせていただいております。複数のサイトをお持ちのプロの事業者さんには、一部で当社のO&Mを試験的にやらせていただき、その結果に納得いただいてから、必要であれば他のサイトも任せていただくという流れです。焦らずに進めていますので、年度内の契約量は30MW程度だと思います。しかし数年後には200〜300MWまで増やしたいと考えております。

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