ESI、発電所運用サービス開始へ

独O&M大手グリーンテックと資本提携

太陽光商社のヨーロッパ・ソーラー・イノベーション(=ESI、横浜市中央区、土肥宏吉社長)は、今年7月を目途にO&M(オペレーション&メンテナンス)サービスを始める。4月に独O&M大手のグリーンテック社と資本提携を結び、日本の発電事業者にサービスを提供していく。

(左)グリーンテックのレーマン社長 (右)ESIの土肥社長

ESIは、2014年8月にグリーンテック社と業務提携を交わし、日本で欧州型のO&Mサービスを実施するため準備を進めてきた。ESIは千葉県に3ヵ所、福井県に1ヵ所、数百kW規模の太陽光発電所を保有しており、グリーンテック社が欧州で実施しているO&Mを導入、実証試験を進めてきた。

必要なデータが出揃うまでに一定の期間を要したが、昨年末頃から一部検証データが出てきたという。

その結果を踏まえ、事業を本格化するにあたって、より強固な関係を結ぶべく、ESIがグリーンテック社にマイナー出資することを決めた。ESIは今年4月に払い込みを終える予定だ。

ESIは、モジュールをはじめPCS(パワーコンディショナ)や架台などのシステム販売を展開、今後は日本を中心にアジアへ営業エリアを拡げていく。一方のグリーンテック社はドイツを中心に欧州でO&Mや電力事業などに関わっている。資本提携を結ぶことによってシナジー効果が得られると判断した。

土肥社長は、「当社とグリーンテックさんとは、今回の提携によって、何か変わるということではありません。ただ各々が得意とする事業やエリアが異なるので、たとえば、日系企業が欧州の電力事業へ進出する際、太陽光発電所から電力を調達したいというケースがあると、当社を通じてグリーンテックの取引先を紹介したり、またその逆もあったり、お互い優位性を高めていければと思っています」。

グリーンテック社は、出力数十kWの太陽光発電所から10MWを超える大型発電所まで全方位にO&Mを手掛け、14年の取引量は453MWだった。GTMリサーチの調べによると、独立系では世界トップの実績である。

そのノウハウを日本に持ち込むわけだが、電気主任技術者による定期点検やパネルの洗浄、除草のほか、遠隔監視システムを用いた日常管理や駆けつけなど、一般のサービスも提供する。そのうえで、状況に応じて技術コンサルティングや財務管理、商用管理、資産管理なども行ない、総合的な資産運用サービスを実施する予定だ。

土肥社長は、「モニタ画面の表記を日本語に変換したり、O&Mサービスの内容も日本仕様にカスタマイズしたり、準備に時間がかかりましたが、漸くお客様に自信を持って提供できる状況が整いました。我々はあくまでも事業者の利益の最大化を目的としているので、コストパフォーマンスの高さには自信があります。現在引き合いを多数いただき、50MW規模に達しています」と状況を語った。

ウェブサイトはこちら