物販からO&Mまで 顧客総合サポートを追求

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション 土肥宏吉 社長

太陽光関連商社のヨーロッパ・ソーラー・イノベーション(=ESI、横浜市中区)が業容を拡大している。独ソーラーワールドの日本総代理店としてモジュールを拡販する一方、PCS(パワーコンディショナ)や架台などのシステム商材も扱い、今年からO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)を始めた。同社は何を目指しているのか。土肥宏吉社長に聞いた。

プロフィール/1973年生まれ。一橋大学商学部卒。97年巴工業入社。2010年退社。2011年よりドイツ・ミュンヘンで、太陽光の商社設立。2012年7月より現職。

──独ソーラーワールドのモジュール販売が好調のようですが。

おかげさまで、出力50kW未満の低圧分野からミドルソーラーやメガソーラーまで、幅広く使っていただいています。モジュールの販売量は、今年7月末時点で累計50MWに達しました。創業が2012年7月ですから、この50MWはちょうど2年間トータルの販売実績ということになりますね。今期(2015年6月期)の出荷量は100MWを超えると予想しています。

当社は発電事業者さんをトータルでサポートしていくという考えですから、モジュールのほかに、PCSや架台、ケーブル類まで扱っています。

 

──PCSや架台なども欧州メーカーの製品を扱っているのですか。

欧州メーカーのもあれば、国内メーカーのものもあります。PCSは、独SMA、田淵電機、安川電機、山洋電気。さらにヒロセーからTMEIC製PCSを仕入れています。数kWから500kW機まで品数は豊富です。

架台は、富士スレートと日栄インテックの製品で、日本の建築基準に合ったものを採用しています。キュービクルや集電箱は、河村電器産業の製品です。

各製品は、それぞれ優れた特長があり、商品力は充分にあると思っています。それらを当社が仕入れて販売するわけですから、当社の役割はきっちりと保管して注文が入ればできるだけ早くユーザーに届けること。当たり前のことですが、そのためには、物流がカギを握ると思っています。

 

──どのような物流体制を築かれているのですか。

日本全国に拠点を構えています。苫小牧、秋田、東京、横浜、名古屋、福井、神戸、松山、博多の計9ヵ所です。特に主要拠点の東京、福井、神戸、博多でモジュールを中心に常に一定数の在庫を確保しております。注文が入ると、お客様のサイトに最も近い拠点から、商材を輸送する体制になっています。当社は、この物流システムをIT管理し、より効率を高めています。

納期は、50kW未満の小さいものであれば1週間程度。新規のお客さまでメガソーラーなどの大型案件であっても、平均2.5ヶ月から最長で4ヵ月あれば納品できます。

 

──独グリーンテック社と今年8月に始められたO&Mサービスの状況はいかがでしょうか。

引き合いを多くいただいており、これから商談を詰めていくことになると思います。当社のO&Mは、遠隔監視システムなどの設備を用いたサービスに加え、技術コンサルティングや財務管理、資産管理など総合的な資産運用まで行います。

O&Mは、費用をかければよいというものではなく、発電所の規模や立地条件、使用設備などによって適正なO&Mというものがあります。当社は費用対効果に見合った形で、事業者サイドに立ってサポートしていきます。

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