LooopがO&Mサービス本格化

『みえるーぷ』で発電監視 メンテナンス業者大募集!

太陽光発電の有力EPC(設計・調達・建設)であるループ(東京都文京区、中村創一郎社長)が、太陽光発電所のO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)事業を本格化する。従来の遠隔監視システム、『みえるーぷ』を更新した新製品を今年3月に発売し、太陽光発電所の発電量を常時監視するサービスを一般に広げる。各地域のメンテナンス業者とのアライアンスを広げ、客先まで駆けつける包括的なO&Mサービスを実施する構えだ。

同社は13年春、遠隔監視システム、『みえるーぷ』を独自に開発して製品化した。同システムは、PCS(パワーコンディショナ)から得られる発電情報を収集し、携帯電話の通信回線を利用してサーバに送信。サーバ上にはあらかじめ発電状況を見せる専用サイトを用意、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの情報端末からサイトにアクセスすれば発電量を常時監視できる。

『みえるーぷ』の特長は、まず、1台でPCS20台まで対応できること。さらに、クラウド上で管理され、システムそのものが日々更新されていく仕組みになっているため、ユーザーの利便性が向上していく点である。

ループは『みえるーぷ』で、20年間の顧客の発電を見守っており、自社で建設した太陽光発電所の顧客に提案、これまで70台納入している。

今年3月に発売するのは、従来の『みえるーぷ』をバージョンアップした『みえるーぷ2』。日射計を設置すると日射量と実発電量の差が一目でわかる。一部のPCSを用いればストリング監視も可能で、堅牢性もさらに高めた。

最大の特長は、遠隔監視装置本体の機材、設計を見直し、価格を抑えた点。通信費・サーバ利用代を合わせた年間利用料2万5000円〜(監視するPCS台数により決定)は据え置くが、販売価格は24万8000円〜(工事費別)と大幅な価格低減を実現した。

中村社長は、今回の商品化についてこう目的を語る。

「お客様は、太陽光発電所を建設すると、次は20年という長期の売電事業を始められる。我々は、発電所の建設をお手伝いさせていただいたのだから、売電事業まで支える。サーバ上で管理するため、他の発電所の発電量も見ることができ、情報の共有化が実現します」。

「マーケットは、開発一辺倒の現状から、今後は開発に加えてO&Mビジネスが生まれる。そうした状況を見据えれば、O&M事業は今後ますます重要性を帯びてくるでしょう」。

「O&Mは、お客様の資産運用を丁寧にお手伝いするという観点が大事。発電量を常時監視し、見守ることはもちろん、万が一の際はすぐに駆けつけてトラブルを解消するメンテナンス体制を築く必要がある。そこで当社は、ご協力いただけるメンテナンス業者さんを募集しています」。

ループは、遠隔監視システムのさらなる機能アップを目指し、開発の手を緩めない。PCS単位の監視にとどまらず、より精度の高いストリング監視システムも自前で開発する計画だ。むろんコストリーダーとして、業界最安値の価格帯でサービスを提供していくのだろう。ループの挑戦はまだまだ続く。

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