次世代PCS発売へ
進化するファーウェイの住宅用蓄電設備
顧客第一主義
ファーウェイは今回、顧客の要望に応え、徹底して日本仕様に改変する姿勢も見せている。事実、様々な形状の屋根を考慮し、従来の2回路2MPPT(最大電力点追従)を3回路3MPPTに変えたほか、PCSの起動電圧を従来の80Vから35Vへ抑えたのだ。
後者の変更について、ファーウェイ・ジャパン デジタルパワー事業部 張振東プロダクトディレクターは、「早朝の低出力時はPCSが起動してもパネルの出力不足でPCSが停止してしまうこともあって、敢えて起動電圧を高めに設定していました。ただ日本では早く起動する機能が求められているので、日本のお客様の要望に合わせて起動電圧を下げました」と説明する。
ファーウェイは日本の施工事情にも配慮した。従来機ではコネクタをケーブルに付けてPCSに差し込む仕様にして欧州や豪州の慣習に合わせていたが、日本では専用の圧着工具が必要になるため、新製品には丸端子接続を採用している。また、遠隔からの出力抑制などに欠かせない『スマートロガー』と、自立運転時に必要な全負荷トランスをPCSに内蔵、3つの筐体を1つに収めることで施工性を高めつつ、省スペース化を実現させている。
張プロダクトディレクターは、「外資系メーカーには、グローバルスタンダード品を微調整する対応しかできない事情もあるが、当社は今回、徹底して日本のお客様の要望に合わせて製品を開発しました」と語り、今後も長期に亘って日本で販売していく方針を示した。
なお、同社は、日本のHEMS(家庭内エネルギー管理システム)との連携を想定し、新型PCSの通信をエコーネットライト方式に対応させている。