系統用蓄電池から蓄電池併設太陽光まで
進化するRE100電力の再エネアグリゲーション
再エネアグリゲーションを展開するRE100電力は系統用蓄電設備の運用代行を始める。蓄電池併設太陽光発電所まで対象を拡げる構えだ。
「太陽光発電所や系統用蓄電所を開発する事業者からの相談が日増しに増えています」。
RE100電力(東京都中央区)の黒淵誠二社長は近況を語る。
事業者が同社を頼るのは、同社の豊富な知見と顧客対応を認めているからだろう。実際、RE100電力は2019年、グループのEPC(設計・調達・建設)会社、日本エネルギー総合システムが開発した太陽光発電所のアグリゲーションを始め、発電量予測を開始。その後、自己託送やFIP(フィード・イン・プレミアム制度)活用の事業者にアグリゲーションのサービスを提供し、24年2月にはバーチャルPPA(電力売買契約)案件を受注した。
そんな同社は24年、日本エネルギー総合システムが出資するSPC(特別目的会社)の系統用蓄電設備で運用代行を始める。出力1990kW・蓄電容量8128kWhの設備を運用して、JEPX(日本卸電力取引所)取引や需給調整市場取引を行う計画だ。
黒淵社長は「実運用を通じて各電力市場の単価予測や蓄電設備の監視・制御の技術を高めていきます」と意気込む。
さらに同社は、蓄電設備併設型太陽光発電所のアグリゲーションにも力を入れる構えだ。太陽光発電量予測に加え、各電力市場の予測まで求められるため、難易度は上がるが、黒淵社長は、「我々が目指すのは、再生可能エネルギー比率100%の電力販売です。そのためにも、蓄電設備併設型太陽光発電所の運用は欠かせません」と話す。同社はすでに実証(事業検証)を行い、運用ノウハウを蓄積。現在事業化している。