港湾の脱炭素化に貢献

ソラックスの蓄電設備

脱炭素化が拡がるなか、ソラックスの蓄電設備が利用され始めている。どのような特徴があるのだろうか。

➀港湾の脱炭素化、『カーボンニュートラルポート』の重要性が高まりつつある。写真は丸亀港。②菅原ジェネラリストは太陽光発電設備と蓄電設備を導入し、カーボンニュートラルポートの構築を目指す。写真は同社らが脱炭素化を目指す計画を説明している様子。左から菅原ジェネラリストの菅原周平副社長と成島建設の中江哲也社長。③蓄電池ユニットは小型で軽いため、人力で運搬できるという

国際物流の拠点となる港湾の脱炭素化、『カーボンニュートラルポート』の重要性が高まるなか、再生可能エネルギー電力を船舶などで利用する動きが出てきた。

船舶運送の菅原ジェネラリスト(香川県丸亀市、菅原範明社長)は2025年3月、太陽光発電設備の設計・施工を手掛けるエヌグループと丸亀港に隣接する事務所に太陽光発電設備と蓄電設備を導入した。ユアサ商事を通じて調達した中国の蓄電設備メーカー、ソラックスパワーネットワークテクノロジー製の蓄電容量176.64‌kWhの蓄電設備と、出力計49.5kWのハイブリッド型PCS(パワーコンディショナ)を設置。事務所の屋根には塩害対応の太陽光パネルを45.7kW置き、発電される再エネ電力を船舶や事務所で使い始めた。

菅原ジェネラリストは貨物船などの船舶約50隻を管理・運営しており、これまでは船舶用の電力を発電機で賄ってきたが、電力代の削減や脱炭素化を目的に太陽光発電設備や蓄電設備の活用に切り替えた。今後はオフサイト型の太陽光発電所も活用して総合的な脱炭素化を進めていく考えだ。

同社の菅原周平副社長は、「24年3月頃から蓄電設備の導入を計画し、色々と検討してきた結果、ソラックスさんの製品にしました。コンパクトで意匠性がよく、安全性に配慮されている点に加え、増設が容易にできるところも、選定のポイントになりました」と話す。

エヌグループの関連会社で施工を請け負った成島建設(徳島市、中江哲也社長)の中江社長は、「(ソラックスの)PCSと蓄電池ユニットは小型で軽いので、事務所の3階まで人力で運ぶことができ、配置する際も苦労しませんでした」と施工面の特長を挙げ、「PCSに自立運転機能が備わっている点もいいですね」と付け加えた。

港に蓄電設備を設置し、船舶へ再エネ電力を供給する今回の試みは今のところ珍しいが、今後は大規模な港から中小規模の港まで導入が広がりそうだ。

なお、ソラックスは日本で住宅用蓄電設備を販売してきたが、ここに来て産業用蓄電設備の提案にも力を入れている。興味のある施工店や商社は問い合わせてみよう。

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