Products Review

行田電線

逆流防止ヒューズ搭載の直流用分岐ケーブル発売

電線製造の行田電線(大阪市、行田貞生社長)は今年2月、直流回線用の分岐ケーブルにヒューズを搭載したと発表した。複数のストリングを接続する際に、故障したストリングに他のストリングからの電流が誤流入することを防ぐ。従来使用してきた逆流防止用ダイオードよりも耐電流性能を高め、製品の拡販を狙う。

同社はこれまで、電流値の低い薄膜系太陽光パネルの並列接続用に分岐ケーブルを販売しており、逆流防止にはダイオードを用いてきた。しかし、近年は薄膜系太陽光パネルの電流値が上がり、さらに太陽光発電所での過積載の普及に伴い、電流値の高い結晶シリコン系パネルを用いた案件からの分岐ケーブルの需要が増したという。ダイオードを電流の大きな回路で使用するには発熱対策が必要となり、部品が大型化するなどして施工性が悪化する。そこで同社は、ヒューズによる逆流防止を採用した。

ヒューズの定格電流は、薄膜系パネル用で6A、結晶シリコン系パネル用で15Aである。分岐数やケーブル部の長さなどは変更可能で、案件ごとに対応する。

分岐ケーブルで配線をまとめると、ケーブルの総延長を短縮でき、太陽光発電所の導入費を低減できる。加えて、逆流防止機能を組み込むことで、パネルの逆耐電流値を超えた電流値まで並列数を増やすことができ、発電量の向上に繋がる。

過電流で溶断したヒューズの交換は、前後の電線ごと切断し、交換用の電線つきヒューズを接続し直す形式である。電線を切断せずにヒューズ部分のみを取り外す仕組みとする案もあったが、現場作業員がヒューズの取扱いに不慣れな場合を想定し、交換用ヒューズをあらかじめ電線に組み込んだ状態で販売する。

すでに出力2MW規模の太陽光発電所での採用が決まり、同社は4月より量産を始める。年間30MWの案件からの受注を見込む。

住宅用PCS。写真は4.0kW機

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