Company & Key person

「14円以下でも200MW以上の開発を目指す」

サンテックパワージャパン 高瞻(ガオ・ジャン)社長

太陽光パネルの販売からO&Mや太陽光発電所の開発まで、多角化経営を展開するサンテックパワージャパン。今年はどう動くのか。

──2018年の実績は。

前半は認定遅れの影響で特に低圧太陽光発電所向けの販売が厳しかったが、後半巻き返し、通期では目標に到達できた。パネルの出荷量は前年比25%増。出荷先の割合は昨年とほぼ同じで、高圧以上向け50%、低圧向け30%、住宅向け20%で、それぞれ均等に伸ばせた。単価が下がっており、売上高は横ばいだったが、3年連続黒字を達成した。

 

──なぜ出荷が増えた。

15年より『太陽光+α』をキーワードに、パネル販売だけではなく、PCS(パワーコンディショナ)や架台、遠隔監視装置などを組み合わせたシステム販売や、O&M(管理・保守)サービスなどを複合的に提供しており、多様化する需要に対応できていること。さらに、住宅用、低圧用、高圧以上用など、部署を細分化し、バランスよく事業展開できていることが寄与したと思う。

太陽光発電業界は政策の変更が多く、産業用、とりわけ高圧以上に特化するのはリスクだ。低圧用と住宅用を含めてバランスのよい事業展開を心掛けている。

 

──1月に住宅用事業の子会社を設立したが、狙いは。

新築住宅向けには、これまで通りサンテックパワージャパンが大手ハウスメーカーへ展開していく。新会社では中小ビルダーや工務店のほか、販売店を介して既築住宅向けの事業を展開する。

住宅向けは(前身の)MSK時代からやっているので、日本でのノウハウも実績もある。サービス内容は国内メーカーと大差なく、価格競争力は充分にあると思う。

新会社では蓄電池も販売する。今は日本メーカーの製品を扱っているが、現在中国で自社の蓄電池開発を進めている。19年内には開発を終え、20年年初には日本市場に投入したい。価格競争力には自信があり、自社製蓄電池があれば、外資の競合他社に対する差別化にもなるだろう。

 

──売価14円でも発電所開発は可能か。

スペインや豪州では、日本より日射量が多く、人件費や土地代が安いという側面はあるものの、すでにFITはなく、PPA(電力購入契約)が一般化し、売価は4円〜7円だ。そのような地域で発電所を開発している当社からすれば、売価14円はまだまだ魅力的だ。

ただ、日本では、特高発電所の開発期間に3年の縛りがあり、これはリスクが高い。とはいえ、低圧発電所は数が必要。だから、高圧発電所を中心に開発していく。入札になっても問題はない。

19年は日本国内で200MWのFIT申請を行う計画だ。海外では300MWの発電所開発に着手したい。

 

──19年の目標と新製品は。

19年もパネル出荷量は前年比25%増を目指す。

新製品は、2月末に両面発電パネルをP型とN型の2種発表する。海外では追尾式架台と両面発電パネルの採用が増えており、発電量は最低でも15%アップが見込める。ただ、日本は土地が狭いので、追尾式架台は難しいかもしれないが、両面発電パネルだけでも、たとえば積雪地域や水上で発電量アップが期待できる。

他には400W超の高出力パネルの開発も進めており、19年内に発売する。

 

──今後の市場はどう動く。

政策がどうなろうとも、長い目で見れば太陽光発電は間違いなく伸びていく。すでに太陽光発電の発電コストは火力発電に近づいており、近い将来下回る。FITがなくなっても、太陽光発電の導入量は増えていくし、実際我々はFITのない地域でも事業展開している。業界として、この3年が踏ん張りどころだ。

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