屋根技術研究所
薄型配線金具を発売 アスファルトシングル屋根にも対応
太陽光発電設備用金具を製造する屋根技術研究所(愛知県高浜市、都築城二社長)は2月より、太陽光パネルから伸びる配線を屋根の下へ導く特殊金具を薄型化して新たに発売した。従来品では対応していなかったアスファルトシングルと呼ばれる屋根材にも設置できるよう改良した。対応可能な条件の幅を広げ、今後の拡販につなげる狙いだ。
同社は2007年にスレート屋根用の配線金具の販売を開始し、11年にはスレート屋根と板金屋根の両方に設置可能なものを発売した。配線金具は、太陽光パネルの下から直接配線を屋根裏に引き込む際に、穴の隙間から水が侵入することを防ぐ。この工法により配線を外部から目立たなくし、屋根の美観を向上できるという。
今回の金具の厚みは29mm。従来のスレート屋根用のものは55mm、スレート屋根と板金屋根兼用のものは43mmであり、大幅な薄型化により、パネルと屋根材の間隔が狭い条件でも取りつけられるようになった。
さらに、ガラス繊維にアスファルトを浸潤させたアスファルトシングルと呼ばれる屋根材に施工できるよう、仕様が一部変更されている。アスファルトシングルには表面に細かな石を吹き付けたものがあり、その凹凸の隙間から水が浸入しやすくなる。そこで同社は、防水シールを1層から2層へ、固定ネジを3本から4本へと増やし、金具と屋根材の密着性を高めることで防水性を向上させた。
なお、同製品はアスファルトシングル以外にスレートを用いた屋根にも施工可能で、板金屋根には非対応。アスファルトシングルは米国の住宅の80%で採用される主要屋根材だが、日本では普及が始まったばかりという。対応する製品の開発を行った背景について、同社は、「今後のニーズを掘り起こす観点から、先んじて製品ラインナップを拡充し、対応できる屋根の種類を増やした」としている。