オムロン
屋外仕様の住宅用単相PCS発売
小型PCS(パワーコンディショナ)大手のオムロン(京都市下京区、山田義仁社長)は、屋外仕様の住宅用単相PCSの新製品を開発、11月10日に発売した。施工性と発電量を向上させたマルチ入力タイプである。
同社が新発売した単相PCS『KPR-Aシリーズ』は、回路ごとに枚数の異なる太陽光パネルを接続できるマルチ入力タイプで、屋外仕様品。現行の『KPRシリーズ』の後継機種である。単機容量4.8kWタイプと5.6kWタイプを用意した。
新製品の特徴は、部品の見直しや放熱設計の最適化などで、大幅な小型・軽量化を実現したこと。従来品と比べて、横幅を650㎜から450㎜に、複数のPCSを設置する際の左右の離隔距離を15cmから3cmに削減した。これによって、2台のPCSを並べて設置する場合でも幅1mのスペースに収められる。PCS本体の質量が従来比68%の19.5kgなので、1人での設置作業が可能で、施工工数の削減効果も期待できるという。
電力変換効率は、業界最高水準の定格96.0%、最大効率97.1%であるほか、日照の少ない朝夕など500W程度の低出力時にも95.4%を実現。より多くの発電量を得られる高い変換効率も一つの特徴だ。1回路あたりの最大許容短絡電流と最大動作入力電流もそれぞれ12Aと11Aとなっており、より高電流の高効率パネルに対応可能となった。
同社は野立て太陽光発電所向けに特化した屋外仕様の単相PCS『KPVシリーズ』を今春発売しており、「今回はそれに続く次世代PCSの第2弾」(同社環境事業本部マーケティング部商品戦略課の井上健一主査)。野立て専用である第1弾の設計思想を踏襲しつつ、住宅向けであることから、マルチ入力タイプにしたほか、自立運転機能を搭載し、隠ぺい配線ボックスも用意している。