長州産業
住宅用の融雪ヒーター内蔵パネルを発売
太陽光発電設備メーカーの長州産業(山口県山陽小野田市、岡本晋社長)は6月末より、融雪ヒーターを内蔵した住宅用太陽光パネルの販売を開始した。雪庇などの雪害リスクを低減し、冬場の発電量向上を見込んだ製品だ。
同社は、現在製販している出力274Wの単結晶型太陽光パネルの高強度タイプに、消費電力190Wの融雪ヒーターを組み込み、積雪地域向けの太陽光パネルとして製品化した。絶縁のためバックシートを多層構造とした以外は、従来品と構造はほとんど変わらない。
ヒーターは商用電力で温める。同社の試算では、1日8時間、12月~3月までの4ヵ月使用した場合の電気代は約11万6000円になるが、除雪作業だけでも年間12万円ほどかかるため、同パネルを設置すれば除雪費用の低減が期待できる。
さらに、普通の太陽光パネルを使用する場合に比べてパネル費用は3割ほど増すが、4ヵ月分の太陽光発電の売電量増加が見込めるため、積雪地域で太陽光発電を導入する場合は除雪費用低減と発電量向上の2つの利点があるという。
同社は「積雪地域では太陽光発電は難しいと考えられているが、なんとか普及させたい」(エネルギー機器本部営業部特販開発課の鈴尾秀祐技術担当課長)との思いから、2015年より秋田県や山形県などで実証試験を行い、効果検証などを経て製品化した。