上海質衛環保科技
PID対策装置発売 逆バイアス電圧印加で出力回復
中国の上海質衛環保科技は、PID(電圧誘起劣化)の発生した太陽光パネルの出力を回復させる装置を2月末より本格的に日本で売り出す。対象パネルに逆バイアス電圧を印加する装置であり、約1ヵ月で9割程度まで出力を回復できるという。事後的なPID対策品として提案していく方針だ。
同社は2012年にPIDの発生したパネルに対する出力回復装置を開発。これまでに欧州やアジアなど1GW以上の太陽光発電所で採用されてきたという。多くはないが、日本向けの納入実績も持つ。
同装置は、PCS(パワーコンディショナ)の直流側に設置するもので、ストリング電圧が60V以下になると自動的に動作を開始し、逆バイアス電圧を印加する。逆バイアス電圧を印加すると、出力が回復するというPID現象の特徴を踏まえた装置といえる。
もし稼働後にPIDが発生した場合、対象パネルの交換が最善策だが、出力低下の割合によってはメーカーによる出力保証の対象外となる可能性もある。同装置を使えば、PIDが発生したパネルの出力が1ヵ月で9割程度まで回復するというので、事後的なPID対策として有効な手段となるかもしれない。
製品ラインナップは、集中型PCS1台用、分散型PCS1台用及び3台用の3種類。防水・防塵等級はIP65で、設計寿命は10年。機器単体での末端価格は1台あたり30万円前後となりそうだ。
なお製品名は『リカバリーボックス』。日本における販売代理店はナイスグループのスマートパワー(横浜市鶴見区、川路泰三社長)である。