ネミー
法面設置用アルミ架台発売
架台製造のネミー(東京都目黒区、根上幸久社長)は昨秋より傾斜地や丘陵地など法面設置向けのアルミ架台を発売、11月より出荷を開始した。360度方向の傾斜に対応したほか、不陸調整が容易な構造を取り入れた。造成費や施工費を含むトータルコストの削減を目指した。
同社が新たに開発したのは、杭基礎専用の法面設置向けアルミ架台。接合部に採用したボールジョイントが360度方向、±30°の角度に対応しており、杭基礎の鉛直方向の誤差を吸収する。高さの誤差に対しては、調整部にねじ構造を取り入れた。調整範囲±30㎜の間で、ミリ単位での不陸調整を可能とし、設置後の再調整も行える。
ボールジョイントなども含めた材質はアルミ。自動車部品にも使われている鋳造用を採用した。「高品質で強度も高く、市場の流通性も高いアルミだ」(技術部の小山洋課長)。耐風圧は38m/s以下、耐積雪は99㎝以下である。
同社は2015年3月頃に開発際し、計測と制御に必要なCPUへ着手。16年夏より説明会を開催し、秋から販売を始めた。上部のラックは汎用品でも対応可能なため、接合部分のみの提供も行う。小山課長は、「部材単体というよりも造成費を含む施工費や施工性を合わせたトータルでのイニシャルコストの削減を目指した」とし、昨年末に施工した50kW案件では工数を従来比30%以上削減できたという。
営業部の向井芳規部長は、「法面における造成費を削減できるほか、杭の打ち直しなどの出戻り仕事が少なくなる。部材も組立出荷するので、現場作業も容易だ」としたうえで、「今後も現場の職人に支持される架台を開発し、提供していきたい」と語る。