Vol.55
おおき循環センター〝くるるん〟
福岡県大木町では、し尿や浄化槽の清掃汚泥の処理を海洋投棄に頼っていたが、『ロンドン・ダンピング条約1996年議定書』で海洋投棄が原則禁止されたことを受け、町はし尿や汚泥を活用するバイオマス発電事業に着手した。長崎大学と佐賀大学、福岡教育大学、九州大学、そして福岡県リサイクル総合研究事業化センターとの共同研究により、2006年11月に『おおき循環センターくるるん』を開設すると同時に、生ごみの分別収集を全町で開始した。町は家庭からの生ごみ、浄化槽汚泥、し尿を受け入れ、メタン発酵により処理している。発生する消化液は町内の水稲や野菜向けの有機肥料(液肥)として活用し、バイオガスはコジェネ発電に使用、施設内に電気と温水を供給している。バイオガス発電による同施設の電力自給率は小型発電機2台を使って発電効率32%、これに熱回収率52%も合わせると84%を利用可能とし、地域分散型のエネルギーシステムとして運用している。