マルチ計測器
直流回路の絶縁抵抗診断装置2月発売へ 1000Vに対応
検査機器開発のマルチ計測器(東京都千代田区、大西恭二社長)は来年2月、太陽光発電システム用にパネル側のケーブルにおける絶縁抵抗劣化を診断する装置を発売する。従来品は直流入力電圧範囲600Vまでの発電所に対応した製品だったが、新製品は1000V仕様の発電所で使用できるよう対応電圧を広げた。
同製品は経年劣化や亀裂により、ケーブルの絶縁抵抗値が低下していないかを診断する装置だ。測定時は太陽光パネルとPCS(パワーコンディショナ)間の断路器をOFFにし、PCSと接続する。太陽光システムの稼働中に電圧を印加せず使用でき、サージアブソーバの取り外しが不要だ。
測定では直流電圧とプラス(P)相、マイナス(N)相、PN相、さらにパネル間の絶縁抵抗値を調べる。それぞれの絶縁抵抗値が1MΩ以上で正常と判断。パネル間のケーブルで絶縁劣化が見つかった場合、どこに異常が起きているか特定できる。
新製品は単三アルカリ電池4本で稼働する。外形寸法190×140×42mm、重さは約800g。税別19万5000円。
同社は中部電気保安協会と共同で新製品を開発。旧製品を発売した3年前はメガソーラーも少なく、600V対応型で十分だったが、各地に直流1000V超えの太陽光発電所が誕生したことで、新製品の発売に至った。