長州産業
太陽光システム併設ヒーター11月よりモニター販売
太陽電池メーカーである長州産業(山口県山陽小野田市、岡本晋社長)は太陽電池モジュールに併設できるヒーターを開発、11月1日よりモニター販売を開始した。雪国での住宅用太陽光発電システムの販売拡大を狙う。
同社が開発した『ほっとパネル』はヒーター部を強化ガラスとバックシート、封止材で挟み込んだもので、いわば太陽電池モジュールと同じ構造を持つ。同社の54セルの主力品と幅が同じであるため、住宅用太陽光システムとの併設が可能だ。PSE(電気用品安全法)の技術基準にも適合した製品。ヒーター部には、ポリエステル繊維を原料に用いた発熱体を採用。シナネンから供給を受けている。
システム構成例としては、屋根上に設置した太陽電池モジュールの最下部または最上部に『ほっとパネル』を併設。オンオフスイッチを付属する中継箱を通じて、住宅用分電盤から商用電力を活用する。通電すると、ヒーターが作動し、ガラス表面の温度が外気温度+約20℃まで上昇、ヒーター上の雪を溶かして落雪の促進を補助する仕組みだ。
「屋根上に積もった雪は最終的に下部に残りやすい。そこで、『ほっとパネル』を軒側となる最下部に設置することで落雪を手助けできる。また、積雪による屋根の負荷軽減や、雪庇などの雪害防止効果も期待できるはずだ」(生産技術本部企画開発部技術開発課の鈴尾秀祐課長)。
同社は昨夏頃より開発に着手、防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)などでの実証を経て、今回のモニター販売に漕ぎ着けた。販売エリアは12月~2月の3ヵ月間の平均気温が0℃以上の地域。
鈴尾課長は、「太陽電池モジュールと同一フレームなので、取付方法も同じ。東北や北陸などの雪国では、積雪が太陽光発電の普及拡大のハードルとなる。落雪を補助して早期に発電を再開させ、普及を促進したい」と語る。