フルアイズ
反射光害の予測ツール 11月販売へ
計測ソフトウェア開発のフルアイズ(神奈川県厚木市、古島終作社長)は、太陽光パネルの反射光害をシミュレーションする装置を今年11月に発売する。装置に内蔵のスマートフォンに必要情報を入力し、カメラで見渡したり撮影したりすることで、太陽光パネルの反射光が入射する場所や時期、時間帯などを確認できる。パネル設置後のトラブルを事前に解消する新ツールになるかもしれない。
今回発売する「リフレクさん」は、AR(拡張現実)技術を活用した反射光の簡易チェック機能と、特定の窓を調査する詳細機能の2種類の機能を持つ。事前の入力項目は共通で、太陽光パネルの大きさや測定する建物の方位、自宅の緯度・経度、屋根の傾きを入力する。パネルの大きさ以外は、GPSによりデータの自動取得も可能だ。
情報を入力後に装置を屋根に乗せ、スマートフォンの画面から見渡すことで、簡易チェック機能が利用できる。現実の風景に、太陽光の反射する場所が赤や黄、緑で表示される。さらに、その状態からカメラで窓を撮影すれば、続けて詳細機能の設定に移る。窓までの距離を計測して入力し、窓の位置を選択すると、グラフで反射光の入射する時期や時間帯を確認することができる。
シミュレーションの結果、光害の危険性があると判断すれば、事前に該当する住宅の住民に説明し、トラブルを未然に防ぐことができる。また、反射光の不安で太陽光導入をためらうユーザーに、安心感を与える用途にも使える。
古島社長は、装置開発のきっかけを「自宅に太陽光パネルを取り付けた時に思いついた」と振り返り、「ニュースで取り上げられるなど、反射光害に対するユーザーの不安は大きい。ぜひ導入していただきたい」と語る。
同製品は当面、売り切りでの販売を予定する。価格は20万円から30万円の間で検討中。まずは代理店を募集し、年間200台の販売を目指す。