シャープ
新型蓄電池発売 コンパクト化、長寿命化を実現
シャープは4月4日、新型の蓄電池を2機発売すると発表した。従来品に比べ設計寿命を伸ばし、筐体を小型化した。6月より順次売り出し、新しいPCS(パワーコンディショナ)と組み合わせて年間6000セットの出荷を目指す。
シャープが発売したのは、充放電容量が4.2kWhと8.4kWhの蓄電池である。電気を溜めて使うサイクルを1万2000回繰り返しても当初の蓄電容量の70%を維持するという。従来品に比べ1.5倍耐用サイクル数が増加した。1日に1サイクル使うとすれば、約33年間使用できる。
4.2kWh機は縦36×横50×高さ60.5㎝の大きさで、4.8kWhの旧製品と比較し、kWhあたりの体積が約25%小さくなった。8.4kWh機は横幅が70㎝で、縦幅と高さは4.2kWh機と同じである。旧型9.6kWhの蓄電池は、小型の蓄電池を2台繋げていたが、新製品は筐体が1台である。
新型蓄電池は、ネットワークとつなげることにより、天気予報や気象警報に応じて、蓄電池の充放電を自動で制御する。例えば停電を予知する気象警報が発令された場合は自動で蓄電を開始する。
エネルギーソリューションカンパニーエネルギーソリューション事業推進センターの黒澤正美所長は、「太陽光の買取り価格が下落し、今後ユーザーは自家消費を指向するだろう。さらに2019年からは太陽光発電の余剰買取りが終了する家庭が出てくる。当社が太陽光システムを設置した住宅の数は他社に比べ圧倒的に多い。当社製蓄電池の需要は大きい」と新製品の拡販に自信を見せる。
新型蓄電池の販売開始に合わせ、新製品対応のハイブリッドPCS4.2kW機と5.5kW機も発売する。4.2kWhの蓄電池と4.2kWのハイブリッドPCSを合わせた価格は税別180万円で、8.4kWh機と5.4kWのPCSのセットでは同298万円である。