サンコーテクノ
杭基礎の強度試験機 販売開始
サンコーテクノ(千葉県流山市、洞下英人社長)は、1月7日に太陽光発電所向けの鉄製杭基礎の性能を確認する試験機を発売した。
試験機は、風圧などによる「引き抜き力」、モジュール、架台、積雪の重みによる「押込み力」、地震による「水平載荷」の試験を1台に集約した。太陽光向けには自社開発のアンカー専用で「引き抜き力」を検査する機器のみを販売していたが、試験内容を増やしたマルチ対応型を新しく売り出した。
設計段階で行われた構造解析に伴う基礎反力の事前確認を現場で行う。手動ポンプを使った油圧式で負荷をかけて試験する。アタッチメント部分をオプションで変更すれば、他社製品でも試験できる。本体重量は55㎏。可搬型で、現場で組み立てられ、重機が入れないような傾斜地や狭い場所での試験も可能だ。引き抜き、押込みの荷重は最大5t、水平載荷の荷重は最大2tまで測定できる。
備え付けの液晶画面には、荷重、変位量が表示され、付属のケーブルでパソコンに繋げば、専用のソフトを使って数値がグラフ化される。別売りのポータブル機器を使用すれば、計測値の確認をタブレット端末で行い、専用プリンタを使ってその場で印刷できる。
サンコーテクノ経営管理本部経営企画部総合企画グループの楠見徹マネジャーは「太陽光発電所の建設は各業者が独自で強度確認の試験を行っている。自然災害での設備被害が増えれば、施工前に数値化したデータが求められてくる。杭基礎の施工業者、ゼネコン、架台メーカーに訴求していきたい」と話す。
一般販売の定価は160万円。完全受注生産となり、他社製の場合は、オプション対応となる。リース販売も検討中だが、現段階での価格は未定だという。