ETソーラージャパン
交流モジュール年内発売へ
中国の太陽電池メーカー、ETソーラーの日本法人ETソーラージャパン(東京都千代田区、佐々木克久社長)は、モジュール単位で直流電力を交流電力に変換するACモジュールを年内に日本で発売する。住宅向けに高機能製品を提案し、シェア拡大を狙う。
一般に太陽光発電では、複数枚のモジュールを直列につなぎ、発電した直流電力をインバータで交流電力に変換する。だがACモジュールは、裏面につけたマイクロインバータによってモジュール単位で直流から交流へ電力を変換。モジュールは並列につなぐ。
直列接続の場合、1枚のモジュールで発電異常が起こると、ストリング内のすべてのモジュールの電圧が低下し、発電量が減少する。並列接続であればその心配はないうえ、「直流より交流の方が、ケーブルロスが少ない」(技術営業マネージャーの仲山和彦氏)。
新製品は直流出力260Wと270Wの2機種。変換効率は260Wの製品で15.98%だ。外形寸法164×99.2×4cm、重量がマイクロインバータ込みで20.4㎏。出力保証は25年である。
同社はマイクロインバータつきモジュールと、モニタつきコントローラーのゲートウェイ、さらに交流ケーブルをセットで販売する。「設置のために必要な機材がすべて規格化されているから作業工程が簡略だ」(仲山氏)。
マイクロインバータは、中国・青島に本社を構えるNEPが製造する定格出力250W、電力変換効率95.8%の製品だ。最大電力点追従機能によってセルストリングの発電量を最大限に引き出す。また発電量を自動で計測し、ゲートウェイに送信する機能を備える。
マイクロインバータは、一般的なインバータで用いる電解コンデンサではなく、フィルムコンデンサを使用している。20年の保証つきで、防水基準IP67を満たしている。
ETソーラーは中国の工場でモジュールにマイクロインバータを据えつけ、日本へ輸出する。佐々木克久社長は「初期コストは通常のモジュールに比べると多少高くはなるが、長いスパンで見れば導入価値がある。早期に月1000枚のペースで販売したい」と抱負を述べた。