テック大洋工業
支柱一体型の杭基礎発売 整地不要、後で高さ調整可能
鋼構造物製造のテック大洋工業(東京都大田区、鳥潟浩司社長)は8月1日、地上設置の太陽光発電所向けに支柱一体型の杭基礎を発売した。傾斜地に建設予定の発電所へ提案し、初年度1万機の販売を目指す。
新製品は3つの管状の鋳物が3列に並び、それぞれの管に単管パイプの杭を挿して基礎を形成する。中央に挿す杭は架台の固定と高さ調整用で、左右の杭は支持用である。「どのメーカーの架台にも対応可能だ」(東京事業所営業部の杉原豪係長)。
まず中央の管を、垂直に軽く打った杭に通し、鋳物を地面に触れるまで下げ、支柱と鋳物を4本の止めネジで固定。その後長さ180㎝の杭2本を、左右の管にそれぞれ挿入し、油圧杭打機で打ち込んで全体を支える。支持用杭の打ち込み角度は中央の杭から22.5度。基礎は360度回転できる構造で、杭打ち時に埋設物が邪魔をしても避けて打ち込める。打ち込みを終えてから、左右の杭は各2本の止めネジで固定する。
杉原氏は「ねじだけで留められるのかと尋ねられたこともあるが、東京都立産業技術研究センターで圧縮試験、引き抜き試験を行い、ねじ部の耐久性には自信がある」と胸を張る。
原材料はハガネ鋳物と呼ばれる鋳鋼『SCW480』で、「粘度があって割れにくい」(杉原氏)。
製品の特徴は基礎を据えた後に高さを0~50㎝程度調整できる点と、架台の支柱部が不要になること。整地が不要で、工期短縮、工費削減につながる。杉原氏は「厄介な傾斜地になると、それだけ効果が大きい」と話す。
杭はオプション扱いだが、同社は標準タイプとして、耐久性の高い溶融亜鉛めっきの単管パイプを用意している。重防食の依頼にも応じるという。架台と接続するためのブラケットもオプションで購入可能だ。