Eye catch

【回避可能費用】

じわりじわりと上昇辿る

異様に低く設定しているとの批判を受けた回避可能費用が、算定方法の改定によってじわりと上昇している。

新たな算定法が適用されたのは、14年度からの認定設備、太陽光発電なら32円案件だ。2014年4月に11.79円(税抜き)をつけると、5月以降は12円台を維持。再生可能電源の価値を正しく評価することで、賦課金の抑制効果も期待されている。

そもそも回避可能費用とは、外部(太陽光発電などのFIT電源等)から電力を買取ることによって、電力会社が本来発電し、生じたであろう燃料費等の支出を免れた費用を指す。

つまり、太陽光発電が普及することで、電力会社が免れた費用まで賦課金に上乗せするのは、「おかしい」という観点から、賦課金は回避可能費用を差し引いて算出されているわけだ。ただ、この回避可能費用が過小に設定されたことで、不当に高い賦課金を負担しているのではないか、という批判を受け、今年3月、算定法が見直されたという経緯がある。

だがその一方で、回避可能費用が上がることは、PPS(特定規模電気事業者)にとっては痛いところ。たとえば7月の回避可能費用12.05円を例にとると、32円の買取り価格に対し、電力会社には費用負担調整機関から、12.05円を控除した19.95円が交付されることになる。見方を変えれば、FIT電源の調達価格が12.05円まで上がったことを意味する。

40円および36円案件は従来の算定法で回避可能費用が算出されているため、いまも9円台だ。

だが、PPSにとって太陽光電源の買取り費用が上昇傾向を辿ることに違いない。

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