Products Review

コロナ

新型エコキュート発売 卒FIT設備所有者に照準

住宅用設備機器製造のコロナ(小林一芳社長)は2021年1月26日、エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)の新製品を発表した。太陽光発電の余剰電力を効率的に使用できるようにした。FITの売電期間が終了した〝卒FIT〟設備の所有者に訴求していく。

同社は、これまでも翌日の使用湯量を予測して沸き上げる機能を製品に搭載させていたが、太陽光発電の余剰電力の使用は沸き上げ予定量の50%に制限していた。それを今回の新製品では80%へ引き上げた。新製品にはHEMS(家庭内エネルギー管理システム)を介して発電量情報や天気予報などから翌日の余剰電力量を予測する機能を持たせ、最適な余剰電力の使用量を自動算出する仕組みを盛り込んだ。

技術本部エコ商品開発グループエコ1チームの巖憲介技士補は、「朝お湯を使わない家庭で翌日晴れる場合、予定使用湯量のうち20%を深夜電力で、残りを太陽光の余剰電力で沸かす。朝お湯を多く使う家庭では、深夜電力の比率を高め、余剰電力に頼らない」と説明する。

同社が余剰電力の割合を50%に制限していたのは、予想が外れて余剰電力が発生せず、利用者が昼間の割高な電力を使うリスクや、朝方急にお湯を大量に消費した結果、湯切れが生じかねないリスクを想定したためだ。ただ卒FITの設備の所有者が多数登場し、余剰電力の有効活用を望む声が多く、同社は20年2月に新機能の開発に着手し、21年4月から新製品を発売することにした。

21年度に住宅用太陽光発電の売電単価は19円に引き下げられるため、地域によっては、割安な深夜電力も賦課金と合わせれば、売電単価より高くなる。余剰電力の自家消費率を高める機器として、エコキュートの需要が高まるかもしれない。

メーカー希望小売価格は税別60万円台の製品から100万円を超えるものまで複数ある。新製品はHEMSがない家庭でも使用できるが、その場合、余剰電力は沸き上げ予定湯量の50%分しか活用できない。

同社の新型エコキュート

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