Products Review

ネミーグループ

遠隔監視システム開発、今秋出荷開始

架台やモジュール製造からEPC(設計・調達・建設)まで手掛けるネミーグループは、太陽光発電システム用遠隔監視システムを独自開発、今秋より出荷を開始する。住宅用及び産業用の両市場に供給していく方針だ。

今回開発した遠隔監視システムは、PCS(パワーコンディショナ)とブレーカとの間、つまり分電盤や集電箱の近くに電流センサを設置し、電流量を測定、計測ユニットを経て、クラウドサーバへ送信するもの。クラウド型システムのため、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を用いて、遠隔で確認することができる。

開発担当者であるネミー(東京都世田谷区、根上幸久社長)の加納秀人技術統括部統括部長兼研究開発室室長は、「費用対効果を考慮し、シンプルなシステム開発を目指した。PCSの信号を取得するには、メーカー毎にPCSのインターフェースを確認する必要があるため、メーカーフリーで導入できる電流センサでの計測方式を採用した」と話す。

計測ユニット1台につき、PCSは5台まで。PCSは100kWタイプまで対応しており、計測ユニット1台で最大出力500kWの太陽光発電システムを遠隔監視できる。それ以上の太陽光発電所は、計測ユニット数の増設で対応可能。100kW以下のPCSであれば、メーカーを問わない。

また、地上設置型など通信環境がない場合、オプションで3G回線の通信ユニットも提供していく。電源はAC100Vだけでなく、200Vからも直接取ることができる。故障診断については、発電シミュレーションと比較するほか、PCSを複数設置している場合はPCS毎の比較も行う。万が一、異常が発生した際には、故障通知メールを発信する。

住宅用システムメーカーであり、EPC企業でもあるネミーエネルギーソリューションズ(NES)の飯倉誠司社長は、「ネミーグループとして、架台やモジュール製造からEPCまで手掛けているが、今後はO&M(オペレーション&メンテナンス)が重要になるはず。そこで、O&Mでカギとなる遠隔監視システムの開発に着手した」と説明する。

NESでは今年8月にO&M事業推進室を立ち上げており、今後は、自社製の遠隔監視システムを活用しながら、O&M事業を進めていく方針だ。

NESの飯倉社長は、「イニシャルはもちろん、ランニングコストでも競争力のある、費用対効果を重視した価格帯で提供していきたい。住宅用システムでも選択肢の一つとなり得る。ネミーグループとして、製造・企画からO&Mまで太陽光発電をトータルで提案していく」と語る。

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