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「エネルギーの選択は経済合理性をもとに判断すべき」

中央大学法科大学院教授 安念潤司氏

7月1日──。買取り価格42円、買取り期間20年という高いインセンティブのもと、日本版FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)が始動した。太陽光発電を中心に再生可能エネルギー(再エネ)の普及拡大の機運が高まっているが、奇しくも時を同じくして、関西電力大飯原発3号機が再稼動した。野田佳彦首相は〝電力不足〟への対応に迫られ、苦渋の決断を下したようだが、3・11以後、脱原発を掲げて再構築したエネルギー政策が早くも揺らいでいる。
原発の安全性に関する議論はさておき、我が国は原発も含めたエネルギー基本計画がいまだ宙に浮いている。再エネ推進に異を唱えるものは少ないが、果たして主要なエネルギーとして本格導入していくつもりなのか、それとも補助電源なのか。政府の真意が見えてこない。
そこで、再エネは今後、エネルギー利用においてどう位置づけられるべきか、自然エネルギー財団理事長を務めるスウェーデンの有識者トーマス・コーベリエル氏と、中央大学法科大学院教授の安念潤司氏に聞いた。意見は「原発再稼動」、「発送電分離」にまで及んだ。

私は基本的にマーケットメカニズムが働けばよいと思っています。価格競争力のあるものが生き残り、ないものは退場する。再エネはこのマーケットメカニズムと非常に親和的で、その点において可能性があると思っています。将来のエネルギーの選択は、経済合理性に基づいて判断されるべきだと考えるからです。

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