フィールドロジック
発電シミュレーションソフト発売
太陽光発電システム用の計測表示ソフトウェアを開発するフィールドロジック(京都府宇治市、木村敏社長)は6月、発電シミュレーションソフトを発売した。日本語版と英語版をラインナップし、国内だけでなく、欧州にも販売していく構えである。
同社が開発した発電シミュレーションソフト「HelioBase」は、システムを構成する機器データと、緯度・経度の位置情報から、日射量や気温などの気象データを測り、これを基に予測発電量を算出する。機器データには、モジュールやパワーコンディショナのほかに、ケーブルや変圧器といった周辺機器の発電損失も計算に加えることができ、より高精度な発電量予測を可能にした。また、3次元モデルで行うシミュレーションは、影や反射光の影響も確認することができる。
開発を担当した研究開発グループの泉貴仁氏は「影計算は、太陽光発電システムの発電量にとって重要な要素。より実測値に近づけるためにも必要だと考えた。一方、パネルの反射光は、近隣へ影響を及ぼす可能性がある」としたうえで、「影や反射光も算出できるので、設計支援ツールとしても使える」と語る。
3次元モデルの作成については、CADソフトを採用。「システムインテグレータさんや施工店さんはCADの図面データをすでに持っていることも多いので、そのデータをインポートして使用できる形にした」(泉氏)。
その他の特長は、パネル1枚からメガソーラーまで、地上設置や屋根設置問わず、様々な発電シミュレーションに対応できること。発電量計算エンジンは、日本工業規格「JIS C 8907」もしくはIVカーブ合成の2方式から選択可能。パネル配置も、自動配置やアレイ間隔計算などのサポート機能を搭載した。
販売方式は、パソコン1台に1ライセンスのノードロックライセンスと、複数台でも使用可能なリムーバブルキーにライセンスを付与したリムーバブルキーロックライセンスの2種類。なお「HelioBase」の専用ホームページでは、1ヵ月のトライアル版を無料配布している。ホームページは英語だが、ダウンロードしたソフトウェアは日本語版でも試用できる。