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[高効率化技術]

n型単結晶Siのコスト低減に挑戦 新アプローチ〝FZ〟でインゴット長尺化へ

山梨大学大学院医学工学総合研究部工学学域 附属クリスタル科学研究センター 綿打敏司 准教授

太陽電池モジュールの価格競争に敗れ、存亡の淵に立たされた国内の太陽電池メーカーにとって、活路はもはや〝高効率化〟しかない。すなわち、n型単結晶シリコン(Si)高効率太陽電池だ。ただ、原料費が高く製品が割高になるため、先行する米サンパワーとパナソニックを除くと、国内勢はいまだ同太陽電池で業績を上げることができない。
では、その高価な原料、n型単結晶Siのコスト低減の開発が進展したならばどうか。高効率化に加えコスト競争力をも手中にした国内勢が、再び世界トップに返り咲く可能性もあり得る。このテーマに、酸化物の結晶成長研究を活かして果敢に取り組む研究者がいる。山梨大学准教授の綿打敏司氏だ。氏の挑戦に迫った。

n型単結晶Si太陽電池とは、基板に、通常のp型単結晶Siウエハではなく、n型単結晶Siウエハを使用したもので、米サンパワーの生産する高効率太陽電池セルや三洋電機(現パナソニック)が開発した『HIT』に採用されている。いまや高効率な太陽電池を製造するためには、必須の技術であるが、原料のn型単結晶Siウエハはp型単結晶Siウエハに対し、30%ほど割高になるという点が普及の妨げとなっている。

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